ファイアウォールへようこそ(21):エクリプス・フェイズ:超能力
「エクリプス・フェイズ」の紹介21。
この連載は、朱鷺田祐介が「エクリプス・フェイズ」をGMするための覚書的なものです。「エクリプス・フェイズ」は、「シャドウラン4th」のライン・ディベロッパーだったロブ・ボイルが作成した最新SF-RPGです。詳しくは、「エクリプス・フェイズ」関連エントリーを参照してください。
おかげ様で翻訳決定
未訳RPGの紹介ということで、手探りでやっている部分が多々ありますので、訳語の揺れはご容赦ください。
R&Rステーションで、体験会が予定されています。次回は11/19(土)を予定。
今回は、前回に続き、サンプル・キャラクターを紹介しながら、「エクリプス・フェイズ」の世界の四方山話をしていこうかと思います。
●サンプル・キャラクター四方山話:超能力者
悪い予感がする。 この道具は、去年、異星の二重太陽系にある遺跡から回収された物と非常によく似ている。 ---アルゴノーツの異星考古学者
「エクリプス・フェイズ」は、未来を舞台にしたSF-RPGで、先輩の「トラベラー」などと同じく、「超能力」が存在します。この世界での超能力は、エイリアンがもたらしたとされるエクスサージェント・ウィルスが引き起こした謎の突然変異で、本来であれば、罹患者は怪物化し、多くは死に至るのですが、特定の変異株の場合、症状が軽く、生き残った患者はPsi(サイ)能力を獲得します。これがいわゆる超能力で、主に、ESP(超感覚)系の超能力として発現します。エクスサージェント・ウィルスは、10年前、戦闘AI、ティターンズが反乱を起こして地球を壊滅した際には、バイオウィルス、ナノテクウィルス、デジタルウィルスとして、広くばら撒かれ、多くの人々や物体、プログラムにさえ感染し、多くの被害者を出しました。
Psi能力は、エクスサージェント・ウィルスが引き起こす訳なので、超能力を得たということは以下のいずれかの状況になります。
・エイリアンの遺跡、あるいは、レリック(遺物)、あるいはティターンズの遺産と接触し、感染した。
(例)アルゴノーツの異星考古学者
・エイリアン、もしくは、ティターンズの残した超技術を取り込んだ違法実験に関与した。
(例)月のエゴ・ハンター
基本的に、Psi能力を持っているということは、エクスサージェント・ウィルスの罹患者であるので、その事実を知られると忌避されます。「月のエゴ・ハンター」は、彼らを生み出した「未来計画」そのものの非人道性とも重なり、社会的な汚点とみなされています。
●ルール:Psi能力
PCが使用できるPsi能力は、レベル1と2です。
レベル1「Psi-Chi」は感知やテレパシー系の能力です。「Chi」は「氣」のことです。
レベル2「Psi-Gamma」はさらに精神などを操作する部分が現れ、精神を攻撃できるようにもなりますが、いわゆる念力や発火能力のレベルまではいきません。そのあたりは、NPCだけに許されたレベル3の世界です。
これらを取得するには、キャラクター作成時に特徴を取得し、かつ、「Sleight」と呼ばれるそれぞれの超能力発現形式、具体的な能力を取らなくてはなりません。また、それぞれの使用には「Sleight」に合わせて、「精神支配(Control)」「精神攻撃(Psi Assault)」「精神感知(Sense)」のいずれかの技能が必要です。
また、発動型のPsi能力は、「消耗(Strain)」が発生します。これは肉体へのダメージで、値は「(1d10÷2)+(Sleightごとの修正値)」となります。
多くの場合、対象は「意志(Will)」の2倍ロールで抵抗します。ルール上、高い技能を持つ超能力者に抵抗することは困難ですが、即死系のものはありませんし、脳がサイバーブレイン化されている合成義体(Synthmorph)やPODには効きにくいので、超能力者万能ということはありません。