November 30, 2011
November 29, 2011
ゲームマーケットとか、蜂蜜酒とか
色々行き詰まりつつも仕事中、ひとつひとつ。
色々遅れておりますが、まあ、なんとかなりますので、もう少々お待ちください。
●ゲームマーケット
久しぶりに取材仕事が来たので、日曜日はネクタイしめて、ゲームマーケットへ。最近、パーティ以外ではネクタイなぞ〆ません。詳しい話は記事が出たら、そちらでぜひ。
色々な方にお世話になりました。ありがとうございます。
来年の春(5月の東京)は、出展側も面白そうだねえ、とか思いつつ、そのためには、まず、ゲームを作らにゃとか思案中。
取材優先で、あまり買い物はしませんでしたが、週末のクリスマス例会のため、パーティ向きのものを2,3購入。台湾のメーカーさんの「木こりの達人」とか、新しいデッキ構築型ゲームの「Vorpal」とか。
カナイ製作所のカナイセイジさんから「大商人」をいただく。もうカードが日英対応だ。
●天狗舞のミード 天使のみつ
天狗舞の蜂蜜酒(ミード) 「天使のみつ」到着。 アカシアの蜜のせいなのか、やや酸味を感じる。しばし、オンザロックでいこう。
●エクリプス・フェイズ:地球への帰還
土曜日は件の面子で、「エクリプス・フェイズ」。
地球からの通信を受け、ニューヨーク、マンハッタン島へ救援部隊が派遣されるので、PCが紛れ込むという話。破壊されたチャイナタウンの残骸で思い出の品を探すとか、割りといい話だったのだが、なぜか、探検家がブチブチと死んで、毎回、再生される。ひどい。
●Twilog的な日記
・中古品に、大変な値段がついていますが、以前Tweetした日本支援のアンソロジーがアマゾンに出品されていますね。>>Kizuna: Fiction for Japan Brent Millis
・「エクリプス・フェイズ」の新サプリメント「Panopticon」は、円形刑務所という意味だが、どこかで聞いた気がするなあと思っていたら、知人のKさんご夫妻から、「マジック・ザ・ギャザリング」のミラディン編でラスボス、メムナークが押し込められていた場所の名前だった。昔、小説版を読んで、ゲーム・ギャザに紹介記事を書いたことがある。
November 25, 2011
SR:オーグメンテーション【発売延期のお知らせ】
シャドウラン4thのサプリメント、「オーグメンテーション」につきまして、正式に発売延期が決定致しました。翻訳も完了し、制作作業に入っておりましたが、諸般の事情により、延期となりました。なんとか年内に発売できるよう、調整中とのこと。誠にすいませんが、もう少々、お待ちください。
●Role&Roll編集部よりのお知らせ
【発売延期のお知らせ】11月30日に発売を予定していました『シャドウラン 4th Edition』の上級ルールブック『オーグメンテーション』ですが、諸般の事情により発売が延期となりました。なんとか年内に発売できるよう調整中です。大変申し訳ありませんが、もうしばらくお待ち下さい。
鈴木銀一郎先生喜寿のお祝い、週末はゲームマーケット
金曜日、いや、11/25。ドキドキするなあ。
ちなみに、第六世界の到来(2011/12/24)まで、一ヶ月切りました。ひいい。
今週末は、秋のゲーム・マーケット。朱鷺田は取材で行きますので、各方面ともご協力をお願いします。オススメの新作は、ぜひ、お声をかけてください。
●鈴木銀一郎先生、喜寿のお祝い
アナログ・ゲーム業界の重鎮、鈴木銀一郎先生が喜寿を迎えられたということで、昨夜はそのお祝いに。ボードゲーム系を中心に、業界人が集まり、お祝いパーティ。懐かしい顔ぶれがずいぶん集まりました。朱鷺田は、最近、一押しの会津ミード「花織」を持って伺いました。
喜寿(77歳)おめでとうございます。
まだまだ、ご健勝で、「現役のゲームデザイナーとして」作品を生み出されていくご予定とのこと。
いつものように「Merry X’mas! Happy New Year!」
いつまでもお元気でいてください。
●Twilog的な日記
・イエサブで「エクリプス・フェイズ」サプリ、「Panopticon」購入。宇宙コロニーと知性化種の話。PDFも持っているが、やはり紙がいいなあ。タイトルは「中心からすべて見えるように作られた円形刑務所」とのこと。魔道書っぽいのに!
・火曜日の昼ごはん 学校の近所のコンビニで買ったおにぎりだが、卵シートが妙に工業的でサイバーパンク心を刺激する。これとおにぎり版「たまごかけご飯」は、日本のおにぎり産業の技術力を示すものだ。
日曜日に「日常的に、生卵を食べるのは、日本など少数の国だが、それは衛生環境の要素もある」てな、話をしたばかりだったので、色々思うところがある。
・これが気になるのだが、PDFリーダーとしてはどうなのかな?>Amazon kindle4 WiFi アマゾン・キンドル4 WiFi接続のみ New Amazon
・木曜日の朝4時すぎに地震があったらしいが、その頃は原稿が進まなくて、「もう限界だあ、目が回る、世界が揺れる~」とか言っていた。あれ、地震だったのか(笑)
・締め切り中につき、アプリおやすみ中。リクエストにはお応えできない状態なので、お許しあれ。
・Twitterを初めてどのくらい経ったか忘れたが、3000Tweet突破。
スマホを持たず、PCからの告知とアニメ視聴中の雑談のみなので、まあ、こんなものか。
・火曜日のライター科交流会での話。「ラノベのタイトルが文章になり、文字数が増えている」。もはや、会話台詞で呼びかける傾向なのか!
某所よりコメント。>>美少女コミックのタイトルも長いものが多いとか。連動しているのか?
・火曜日。帰宅早々、娘。との会話。来年は「オジプラスが来る! キリッ」。渋いオヤジ版の「ラブ・プラス」ですか、確かに、キそうだな。
検索結果&Twitter、Mixiでの情報提供感謝!
>>中年おじさん版「ラブプラス」を妄想する!
オジプラスまとめ
元はPixiv発信らしい。
・「ギレンの野望」 初代が一番好き。果てしなくやったなあ。#自分が選ぶサターンのベストソフト
・先日のBLOGでも書きましたが。
「山岸真氏経由Locus Online アン・マキャフリーが亡くなられたとのこと。 黙祷。素晴らしい作品をありがとう。「パーンの竜騎士」が思い出深いですな。」
・君にもできる「エクリプス・フェイズ」シナリオ導入。
GM「前の君達は失敗したようだ・・・」
PC全員「ちゃんとセーブしろ、(前の俺)」
PHP:クトゥルフ・コミック:ニャルラトホテプ、12/18
PHP研究所さんより、12/18に、クトゥルフ・コミックの新刊が出ます。
タイトルは「ニャルラトホテプ」、副題が「這い寄るクトゥルフの狂気」です。ラヴクラフトの作品の中から、這い寄る混沌ニャルラトホテプに関連する短編三作「魔女の家の夢」「ニャルラトホテプ」「闇をさまよう者」をコミカライズしました。朱鷺田は、解説を担当しております。ぜひ、冬の夜のおともに
以下、データ
ヘッドタイトル:這い寄るクトゥルフの狂気
メインタイトル:ニャルラトホテプ
原作:ハワード・フィリップス・ラヴクラフト
漫画:宮崎陽介、原田雅史、清水群馬県
解説:朱鷺田祐介
定価:本体1,000円(税別)
発行:PHP研究所
発売日:2011年12月18日
November 24, 2011
胡蝶の夢の宇宙クジラ@エクリプス・フェイズ、シャドウラン:Conspiracy Theories
11月も後半。頑張れ、オレ。
色々順次解決中。
■11/19:胡蝶の夢の宇宙クジラ@エクリプス・フェイズ体験会
土曜日は、「エクリプス・フェイズ」体験会@秋葉原R&Rステーション。「エクリプス・フェイズ」は、「シャドウラン4th」のライン・ディベロッパーだったロブ・ボイルが作成した最新SF-RPGです。詳しくは、「エクリプス・フェイズ」関連エントリーを参照してください。 おかげ様で翻訳決定
今回も、朱鷺田・岡和田の2卓でしたが、満員御礼にて、プレイヤー11名。
朱鷺田卓の、今回のPCは以下の6名。
・オリガーク:フィオナ
義体を乗り換えながら、100年以上を生きる内惑星圏の特権階級のひとり。陰謀と暗躍の人生に飽きたので、美少女義体に乗り換えて、芸能界に進出することにしました。(ここまで公式設定) マクロス風のアイドル歌手として、陽動を担当。
・月のエゴ・ハンター:メルクーリオ
失敗した人体促成栽培実験「未来計画」の生き残り、「ロスト・ジェネレーション」のひとりで、賞金稼ぎとなって、計画を推進した科学者を追っている。超能力が使えて、専用義体を着用するなど、かっこいいが、悲惨な過去を背負う。
・スカベンジャー:ビットマン
変形合体できるロボット義体「フレックスボット」を使う宇宙のサルベージ業者。宇宙船や重機械と合体したり、変形したりできる。危険な地球に降りて死んだことも度々。今回は空中作業艇に合体して、空中都市の回りを飛び回った。
・メルクリウスの調査官:ラヴィー(型番NL903)
人工知性(AI)。肉体を持たず、メッシュ(コンピュータ・ネットワーク)の中を泳ぎ回る。チームのネット担当だが、ハイパーコープの軌道ラボにハッキングしようとして、ブラックICEに潰される。
・アルティメットの傭兵:色(シキ)
戦う哲学者とも言われる傭兵軍団の一員。完全な次世代人類を目指して、東洋思想と戦闘能力を追求する。
・ダイレクト・アクション社の傭兵:ナターシャ
軍事企業の戦闘要員。円盤型で機械触手と砲座を装備した戦闘マシーン。
■OP:胡蝶の夢の宇宙クジラ ~ あるいは、サンダイバー
目覚める前に見たのは、どこかも分からない異星の太陽だった。
燃えさかるプロミネンスに向かって、太陽観測用の義体「スーリヤ」をまとった無数の宇宙クジラたちが、まるで逆落しのように太陽へ向かって泳いでいく。太陽に飛び込むクジラ、サンダイバー。彼らの行く先に目を凝らすと、コロナの中に巨大で白っぽい影が見える。太陽の巨大なコロナに埋もれて見にくいが……おそらく数十キロはあるに違いない。たぶん、あれはエイリアンの宇宙船だ。そして、その周囲に浮かぶ……
夢はそこで終わった。
再着装室で目覚め、新たな義体で蘇った自分を確認する。
「前の君達は、死んだ」
秘密組織「ファイアウォール」の連絡員、プロクシーがそう言った。
「以前の君達は、パンドラ・ゲートを抜けていずれかの太陽系外惑星へ向かい、その通信を最後に消息を断った」
「もう一度、ミッションに挑めと?」
「そうだ。前任者のミッションを引き継ぐのだ」
「前の俺たちは、記憶のバックアップも取らぬまま、失敗したのだぞ」
「今度の君達は、うまくやってくれると期待するよ」
■ザ・シャック
再定義されたミッションは、パンドラ・ゲートから、金星の浮遊都市建築用浮遊都市、ザ・シャック(掘っ立て小屋)に運び込まれた謎のエイリアン・レリックの調査。もちろん、人類の滅亡を招きかねない危険(Xリスク)が確認されれば、適切な処分(破壊、もしくは奪取)を実行せよという、標準オプション付き。
ザ・シャックは簡単にいえば、金星の大気上層に浮かぶ鉄骨の塊だ。空中都市というよりは、浮かぶ工事現場で、造船所でもある。
ファイアウォールのエージェント、センチネルは三々五々、それぞれのやり方で潜入を試みた。
傭兵である色(シキ)とナタリーはそれぞれのルートから警備兵として雇われようとしたが、ナタリーが入国手続きで疑われ、VR(仮想現実)で尋問される羽目になってしまう。
入国管理官「脳内に監視AIを投入されるのと、義体に自爆装置をつけられるのと、どちらがいい?」
ナタリー「……」
そこで、情報生命体のラヴィーがメッセージを送る。
ラヴィー「爆弾なら、後でボクがハッキングして無効化してあげるよ」
ナタリー「じゃあ、爆弾」
ラヴィー「入国後、ハッキング。あれ? 致命的な失敗」
ナタリー「勇気(Mox)がもったいないから、3番目の私を再度、送り込むということで」
開始早々、PC1名死亡。2番目のコピーが再入国に成功する。
合体変形メカ、こと、ロボット義体「フレックスボット」を駆るビットマンは、作業艇と合体し、金星軌道上から大気圏突入するが、ここでも致命的な失敗が発生、あやうく流れ星になりかける。
月のエゴ・ハンター、メルクーリオは、貨物船に忍び込んでなんとか潜入成功、そのまま、謎のレリックを運び込んだ日系ハイパーコープ、ゴニン・グループの貨物船へ忍びこむが、そこには何やら物々しいコンテナがある。ラヴィーの支援で、船員のクルーIDを得たメルクーリオは、そのコンテナに「反物質爆弾」がセットされていることを知る。これが爆発すれば、この貨物船もろとも、ザ・シャックの桟橋が一本消滅してしまうに違いない。
メルクーリオ「反物質爆弾装備のコンテナって?」
ラヴィー「中身がすごく、ヤバいとか?」
色「反物質爆弾より危険な物。つまり、エイリアン・レリックか?」
ラヴィー「いや、さっき、ハッキングしたら、すでにレリックは、建造中の空中都市Cに運び込まれたそうだ」
フィアナ「反物質爆弾って、どこが作っているのかしら」
ラヴィー「太陽系で生産されている場所は4つ。金星、小惑星帯、宇宙」
ナタリー「うちの兵器部門も作っているわ」
一同「あー」
かくして、フィアナが、アイドルによる慰問講演をする間に、色が潜入することになった。
フィアナ「この街の文化や社会体制を教えて」
GM「ザ・シャックは、現在残っている国家の中で、最古の共産主義企業国家で」
メルクーリオ「ロシアや中国は?」
GM「地球上の国家は全滅してますが、何か」
フィアナ「とりあえず、立てよ、同志! 労働は価値あるものだ!」
色は、警備兵の交代を装って(ラヴィーが勤務表を書き換えた)、ドームの下にあるレリック・ルームの警備につく。
前任者「交代か。新人だな。お前に注意することがいくつかある。
まず、猿は近づけるな」
色「猿? 知性化したチンパンジーとか?」
前任者「見れば分かる」
前任者が扉を開けると、そこにあったのは、黒いモノリス。
正確に、1対4対9の比率で作られた漆黒の石版。
確か、これを昔の映画で見たことがある。
前任者「『2001年宇宙の旅』に関するジョークは、禁句だ。もう聞きあきた」
色「全くだ」
前任者「近づかないこと。勝手に進化するのは禁止だ」
色「それは、アルティメット(究極党)には必要ない」
そう、色(シキ)は、次世代人類への進化を目指す派閥「アルティメット(究極党)」の一員なのである。
思わず、こっそり触ってしまい、エイリアン・レリックの表面に現れた謎の映像を経由して侵食されそうになる色(シキ)。
色「その進化は認めない!」
レリックの危険性を報告すると、周辺調査が始まる。
メルクーリオが、フィオナのコンサートに紛れ込む、ザ・シャックの責任者に接触、Psi能力で思考を探査すると、ハイパーコープが無理に仕事を押し込んできたらしい。現場を監督するのは研究員の「鈴木一人(すずき・ひとり)」で、間もなく、軌道上の研究施設から降りてくるらしい。
「鈴木一人」の正体を探るべく、ラヴィーがハッキングすることになるが、実は、この時点で、担当プレイヤーが抜けることになっていた。
GM「……という訳で、ラヴィーは軌道上の研究施設に侵入を試みて……ぷちっ」
一同「らヴぃいいいいいいいい」
GM「ラヴィーは、君達の秘匿回線からログオフしました」
一同「情報生命体が、メッシュ以外のどこにログオフするんじゃ!」
ネット担当を失ったチームは一気に情弱に。
フィオナ「では、私の実力を見せる時が来ましたね。
ちょっと、ゴニン・グループの重役に電話、あ、元気~ぃ」
相手「あ、君か……(汗)」
フィオナ「ザ・シャックのことだけど」
相手「いや、わしは何も知らぬ。コグナイト社に頼まれて社の船を貸しただけだ」
フィオナ「20年前だったかしら?」
相手「何でも言うよ」
この女(?)、美少女義体を着想してはいるが、その正体は100年以上、内惑星圏を闇から操っていた特権階級の不死者である。そんな陰謀の人生に飽きたから、美少女義体に乗り換えて、歌手デビューして見ましたとか、世の中、不条理です。
結局、思考関係の研究をしているコグナイト社が、ゴニン・グループのVIPと取引して、社名を偽装し、エイリアン・レリックの実験を金星で行うことにしたらしい。
フィオナ「これで、ゴニンと正面からケンカする必要はなくなったわ」
ビットマン「建設中の空中都市を落とす方法を探しておくよ」
色「その前に、鈴木一人を調べないと」
GM「そういううちに、軌道上から連絡艇が降りてくる。乗客は10名」
ナターシャ「護衛付きか?」
メルクーリオ「私がPsiで心理探査しますよ。人の多そうなゲートに誘導してください」
かくして、桟橋で待ち受けるメルクーリオだが、連絡艇から降りてきたのは、妙に同じ印象の10人。
そして、全員のタグが「鈴木一人」。
メルクーリオがPsiで探査すると、個人の魂とリンクした9名の魂が見える。
GM「Zの最終回っぽい感じで、背中に仲間の魂を背負っている」
メルクーリオ「もしかして、ハイブ・マインド(集合精神体)?」
GM「エクリプス・フェイズでは、ネオ・シナジストと言います」
太陽系外植民地「シナジー」で行われた精神連結実験。コロニーとの連絡が途絶えて数年後、彼らは完全に精神が連結した形で生き残っていた。この「シナジー」の住民たちのうち、帰国した数名は、ハイパーコープの支援を受け、精神連結用ヘッドウェアの最新型を提供され、精神連結したコロニーを拡大しつつあった。それがネオ・シナジストである。
彼らはモノリスを使って、さらに「シナジー/精神連結」を拡大する「極秘実験」を金星で行おうとしていたのだ。
しかし、精神連結で能力を向上させていたネオ・シナジストは、メルクーリオの行動に気づき、追いかけてくる。警備兵のふりをした色が妨害しようとして逃がすが、二派に別れたネオ・シナジストは、片方を尾行した色に気づき、色をレリック・ルームに連れ込む。
強制的に「進化」させられそうになる色。
しかし、そこで、ナタリーが他のネオ・シナジストを急襲し、一気にフルオートで打ちのめす。精神連結の仲間を一気に失い、ショックでのたうち回るネオ・シナジストたち。色は持ち前の戦闘力で彼らを制圧し、レリック・ルームに閉じ込めた。
色「すべてを破壊する」
ビットマン「了解」
ビットマンは、連結した空中艇で建設中の空中都市のドームを引き裂いた。
浮力を失い、落下を始める建設中の都市構造体。色とナタリーが飛び出すと同時、都市構造体を支えていた橋梁が重みに耐え切れずに、ネジレていき、緊急用の爆発ボルトが着火。構造体はザ・シャックから強制分離され、金星の雲へと落ちていく。
レリックは金星の高圧、高温の硫酸性の大気の底へ沈んだ。
その頃、ゴニン・グループの貨物船に忍び込んだメルクーリオは、船員に見つかり、フリーザーで打たれ、瞬時に硬質化する泡で捕獲されていた。そこへフィオナが飛び込み、船員の気を引く。彼女が天性のカリスマで船員を魅了した隙に、泡を脱したメルクーリオは船員をKOして、貨物船を奪取する。
そこへ、ビットマンが飛んできて、貨物船と合体、色とナタリーも回収して、混乱するザ・シャックから離陸する。
金星軌道を越え、惑星間空間に出た一行は、謎のコンテナにハッキングする。
中身にアクセスしたメルクーリオとビットマン、色は、それが高重力で圧壊した宇宙クジラの残骸であることを知る。
そして、見えたのは……
……どこかも分からない異星の太陽だった。
燃えさかるプロミネンスに向かって、太陽観測用の義体「スーリヤ」をまとった無数の宇宙クジラたちが、まるで逆落しのように太陽へ向かって泳いでいく。太陽に飛び込むクジラ、サンダイバー。彼らの行く先に目を凝らすと、コロナの中に巨大で白っぽい影が見える。太陽の巨大なコロナに埋もれて見にくいが……おそらく数十キロはあるに違いない。たぶん、あれはエイリアンの宇宙船だ。そして、その周囲に浮かぶ……
無数のモノリス。
そうして夢は終わり、精神をハッキングされるビットマンは思わず、自爆装置を起動してしまう。
残り30秒。
仲間の声になんとか正気を取り戻したビットマンは、爆発7秒前で自爆装置を止める。
一行はコンテナを宇宙空間に放出し、反物質爆弾を起動した。
(終わり)
次回の「エクリプス・フェイズ」体験会は、12/17 土曜日です。
■シャドウラン:Conspiracy Theories
シャドウランの新サプリ「Conspiracy Theories」をPDFで購入。日本語にすれば「陰謀論」。「ダンケルザーンは生きていた」とか、「真祖ヴァンパイアが、軌道上に隠棲している」とか、「若返り措置は、ドラゴンの世界支配(=New Wyrm Order)の陰謀だ」とか、いわゆるトンデモ都市伝説を語った後、実はその背後にもっとすごいことが起こっているとか、そういう都市伝説を隠れ蓑に世論操作をしている謎組織がいるとか、素敵な設定集。
実は公式キャンペーン「Dawn of the Artifacts」にも関係している(汗)
■追悼
朝、起きたら、知人のMixi日記で、「パーンの竜騎士」の作者、アン・マキャフリーが亡くなったことを知る。黙祷。そして、夕方、仮眠から目覚めると、立川談志師匠が亡くなったというニュースが流れていた。黙祷。
■その他の日記
・日曜日は、某所にて、シャドウラン4th。公式キャンペーンなので中身はいいませんが、とんでもない超展開。
・火曜日の夜は、バンタンのライター科OB交流会。元気な顔が結構見られたので嬉しい限り。
・天狗舞もミードを作っていることを確認。いつか機会を見て買おう。
November 18, 2011
「探偵は翼を探す」「義経変生譚」、香港で「深淵」、菊水のミード
翻訳チェックと記事で蟄居中。背中が痛いです。色々パス気味ですいませんが、来週の某所パーティだけはなんとかしていく予定です。
●「探偵は翼を探す」「義経変生譚」
JIVEさんより、今月の新刊をいただく。
「ファイアードReplay:探偵は翼を探す」 シリアス、シリアス、シリアスと3回唱えよう。
「天下繚乱RPG 義経変生譚」 なんでも、井上さんが中国嫁をRPするらしい。
楽しく読ませていただきます。
ちなみに、下敷きになっているのは、PHP社より12月に発売予定のクトゥルフ・コミック、「ニャルラトホテプ」のゲラです。朱鷺田は解説を書きました。
●香港で「深淵」
先日、Twitterで「指輪物語」の中国語訳である「魔戒」の話から、中国でのTRPGの話となったのだが、その後、香港で「深淵」をプレイしていますという方からTweetをいただく。「霊障都市」のプレイしてくださったそうな。実にありがたい!
雑誌での紹介記事もあり、。語り部の一文も「血一滴一滴地落下。在無明的(愚昧的)黒暗中、現在、有什麼誕生了、給世界帯来了波紋 」と訳されていましたとのこと!
●菊水のミード
先日より気になっていた菊水のミード(蜂蜜酒)「シークレット・オブ・クレオパトラ」を取り寄せてみた。
菊水酒造というと、新潟が有名であるが、このミードは高知県安芸市にある(土佐)菊水酒造の製品。スパークリングもあるとのこと。
色は黄金のクリア系、味はセミドライで濃厚。蜂蜜っぽさが少ないものの、やや重い。
レモン(7:1)、ミルク(1:1)のカクテル・レシプ付き
新潟の菊水さんは、蜂蜜酒は作っていないようですが、リキュールのBio菊水とかあって。 一瞬、どこのシャドウラン世界かと。
以下は、お祝い用に取り寄せた会津峰の雪酒造場のミード「花織」(左)と、イオンのワンコイン、ボジョレー・ヌーボー(右) 花織は日本酒酵母の華やかな一品。7ネットで買えるので、ありがたい。
●ガンダムUC
学校のついでに、新宿ピカデリーで視聴。MSV総出演、戦闘BGMの重低音。たぶん、我々はこれが欲しかったのだ。ジュアッグ無双やゾゴック通臂剣(ヒートソード)、バイアラン大活躍もありますが、ネオジオン軍が隠れ家から三々五々集まってくるあたりは、やはり胸が熱い。
今なら、ジュアッグとゾゴックのプラモが売れるか?
●Twilog的何か
・「センゴク 天正記12」は、本願寺焼塵編。表紙は本願寺顕如!
天正7~8年ともなると、予想される終末に向けてドキドキする訳です。
本願寺勢は、最後の敵のひとつ。
・「幻惑のノスタルジア」読了。面白いね。年代記キャンペーンはよい。しかし、河嶋さんはどれだけ「黄昏の天使」が・・・(以下略) あと、子煩悩さが漏れ(以下略)
・解明が進む“幻の山脈”ガンブルツェフ
南極地下の大山脈だと! 狂気山脈・・・・・・
・#Cthulhujp経由森瀬さん ミ=ゴはブータンにおける雪男のこと。現地発音では、「ミゲー」。
Wikiの雪男の項目に「ブータンでは「メギュ」」とありますねえ。
じゃ、あのピンク色の何かは? 「ユゴス星から来た菌類」でしょうかね?
・MX TOKYOのボーンキッカー、考古学者がテンプル騎士団の聖遺物発掘とか、「ブルーローズ」的にドキドキしますな。
・「ホーボー・ウィズ・ショットガン」って、ルトガー・ハウアーか。
●うちのチビチ
寒いからか、仕事をしていると猫が膝に乗ってくる。
いや、その姿勢は何かね? むふぅ。
『真・女神転生X』:ラグナロク:正誤訂正20111118
『真・女神転生X』のサプリメント「ラグナロク」において、P40、オリュンポス神族の神族クラスの覚醒時取得スキル「英雄の剛力」が落ちておりました。以下のようなデータとなります。
名称 種別 コスト 対象 判定値 判定値修正 基本威力 威力修正 相性 □英雄の剛力 補助 - 1 自動 - - - -効果:"トラップや扉などの障害物をひとつ排除するか、BOSSでない敵1体を戦闘から除外する。または、GMが並外れた剛力があれば可能と判断する、イベントひとつを解決する。
このスキルの習得者が軍団の指揮官になった場合、初期戦力値に+1する。"
本件のサポートが遅くなりましたことをお詫びいたします。
この件につきましては、12月以降のR&R誌上にて、サポートさせていただきます。
November 17, 2011
ファイアウォールへようこそ(22):エクリプス・フェイズ:宇宙クジラ
「エクリプス・フェイズ」の紹介22。
この連載は、朱鷺田祐介が「エクリプス・フェイズ」をGMするための覚書的なものです。「エクリプス・フェイズ」は、「シャドウラン4th」のライン・ディベロッパーだったロブ・ボイルが作成した最新SF-RPGです。詳しくは、「エクリプス・フェイズ」関連エントリーを参照してください。
おかげ様で翻訳決定
未訳RPGの紹介ということで、手探りでやっている部分が多々ありますので、訳語の揺れはご容赦ください。
R&Rステーションで、体験会が予定されています。次回は11/19(土)を予定。
今回は、前回に続き、サンプル・キャラクターを紹介しながら、「エクリプス・フェイズ」の世界の四方山話をしていこうかと思います。
●サンプル・キャラクター四方山話:宇宙クジラ
美と危険は紙一重。ここ以上にそれが証明される場所はない。 ---ソラリアンの研究者
R&Rの体験会で使うために、「エクリプス・フェイズ」のサンプル・キャラクターをちまちまと、試訳しています。最終的には、翻訳チームと再調整をしますが、この紹介記事では仮の訳ということで、ご容赦ください。基本ルールの16体に加えて、内惑星系サプリメント「SUNWARD」の12体も終わりましたが、この12体がいずれも曲者揃いです。内惑星圏サプリメントと言いますから、水星、金星、地球、火星の四惑星とその周辺という扱いですが、実は、水星の内側、太陽とその周辺宙域が含まれており、それぞれの地域に固有の凝ったキャラクターばかりです。
その中でも異彩を放つのが、太陽コロナ内の熱い宇宙空間を悠々と泳ぐ宇宙クジラ、こと、ソラリアンの研究者です。「SUNWARD」のカバーにもなっている、「宇宙クジラ」は、宇宙船でもエイリアンでもなく、人類が産み出した太陽観察用の生体義体(バイオモーフ)、スーリヤです。スーリヤはヒンディー教の神話の太陽神から取られた名前です。この義体は10mを超える巨体で、強力な電磁場を発生させて、太陽風の上をサーフィンするように回遊します。
SFだねえ。
スーリヤの多くは、知性化したクジラやイルカたちのエゴが入っています。彼らは故郷の海にいた時と非常に近い形で、太陽コロナの海を楽しんでいます。彼らは自分たちを「ソラリアン(太陽圏の住民)」と呼んでいます。ソルはラテン語の太陽で、しばしば、恒星としての太陽を区別する際にSFで使われる用語です。
さて、そのままですと、本当に宇宙クジラで終わってしまいます。正直、コロナの海から出るような冒険ができるかといえば、疑問が残ります。そこで、サンプル・キャラクターの「ソラリアンの研究者」は、中身が、イルカやクジラでも、エコな人々でもなく、AIである情報生命体(インフォライフ)としました。人工のAIとして生まれ、知性を与えられた情報生命体は、10年前、戦闘AI「ティターンズ」の反乱で地球が壊滅した事件の余波から、社会的な差別の対象になっており、内惑星圏の多くや木星共和国では、迫害の対象になり、人権を認められなかったり、メッシュ上の奴隷労働を強いられたりしていますが、太陽圏のクジラたちは、そんなことを気にはしません。そのためか、このキャラクターは、自由に太陽圏で暮らしつつ、AIとしてネット活動を行うこともできるのです。
●SUNWARDのサンプル・キャラクター
ついでに、内惑星ソースブック「SUNWARD」のサンプル・キャラクターをざっと紹介しておきましょう。
Direct Action Mercenary ダイレクト・アクション社の傭兵
軍事企業「ダイレクト・アクション社」の社員で、戦闘義体「リーパー」を駆る職業軍人。直径2mほどの円盤型義体は、戦闘ロボット義体で、四本の機械触手と砲塔を持ち、重力の軽い場所なら、イオンクラフトやロケット推進で飛行できる。
Earth Survivor 地球の生存者
ティターンズによって壊滅した地球で、サバイバルを続ける生存者。ティターンズへの復讐と地球の奪還を悲願とするが、生きのびることがもっとも大事だと分かっている。
Maker Nomad Bot Jammer メイカー・ノーマッドのボット・ジャマー
火星の赤い荒野に生きるテクノ・リバタリアン氏族の漂泊民。氏族のため、哨戒用飛行ドローン型義体に魂を預けて、火星の赤い空を飛ぶ。
Martian Ranger 火星のレインジャー
火星の荒野で、法と秩序を守るレインジャー隊員。火星を支配し、テラフォーミングを推進するハイパーコープと惑星連合、火星の荒野を切り開く開拓民であるバルスーム人、犯罪組織などの権力や影響の間で翻弄されつつも、人々を救うため、犯罪者やエイリアンの遺物などと戦う。
Mobile Scientist 活動的な科学者
知性化したチンパンジーの科学者。ラボを飛び出して、現場でのフィールドワークに向かう姿は、ダーウィンの意志を継ぐ者か、それとも、野生の呼び声がなせるわざか?
Oligarch オリガーク~支配階級~
百年以上を生きる内惑星系の支配階級のひとり。世界を闇から動かす策謀の人生に飽きて、美少女義体に乗り換え、スポットライトのあたる表舞台、それもエンターテイメントへと飛び込んでいくことにした。
Oversight Auditor 特別監察官
惑星連合の安定のため、身命を捧げる官僚で、イレギュラーな存在を嫌悪し、惑星連合の安定性を損なうものとして排除する。いざという時は、自らが手を汚すことも辞さない。隠密系の義体を使用している。
Scavenger スカベンジャー
地球周辺で残骸を漁るサルベージ業者。可変義体を使って閉鎖されたハビタットや遭難した宇宙船に潜入し、時には、地球へも降下するが、地球を支配する戦闘ロボットによって、何度も殺された経験がある。
Siftrunner Techie シフトランナーの技術者
金星地表の過酷な環境で、移動しながら、鉱物採掘を行う技術者。アラクノイドという劣悪環境にも耐えるロボット義体を使用している。報酬はよいはずだが、オフタイムに見る疑似体験ソフトに無駄金を使っている。
Solarian Researcher ソラリアンの研究者
太陽コロナの内部を回遊する宇宙クジラ型の特殊義体「スーリヤ」で、太陽の観測を行う情報生命体の学者。宇宙クジラたちの社会には、知性化された鯨類が多く、あなたがAIであることを気にするものはいない。
Synthmorph Activist 合成義体人権活動家
合成義体に関する社会的な差別をなくすため、自らも安価な合成義体「ケース」に入って活動する活動家。しかし、効果は少なく、もっと直接的な行動を検討するようになった。善意の人がテロリストになっていく好例。
Triad Soldier 三合会の鉄砲玉
チャイニーズ・マフィア「三合会」の下級構成員で、「四九仔(49ers)」とも呼ばれる。シンジケートの中で成り上がるため、チャンスを探している。
いかにも、チンピラっぽい外見が素晴らしい。
November 14, 2011
November 12, 2011
R&R86発売中(SR4特集)!
絶賛缶詰中の朱鷺田です。家から出たのは3日ぶり。
翻訳チェックと原稿執筆で色々一杯です(汗)
●R&R86発売中
お世話になっているTRPG雑誌「R&R」86号が発売中です!
今回は、久しぶりの「シャドウラン」特集ということで、西上君に、今月末発売予定の「オーグメンテーション」について解説してもらいました。
「オーグメンテーション」入りで作成したサンプル・キャラクターが3体、西上君の「ヤングガン」(若いストリート・サムライ)と「ドルフィン」(ハッカー)、私の「ヴォーパル・バニー」(都市型傭兵、ただし、外見はウサギ!)です。
なお、記事中で紹介した通り、2011年12月24日は、第六世界の始まりの日とされています。グレート・ドラゴン龍冥が富士山山頂に出現する日ですね。
こんな日が来るなんて。。。
という訳で、有志の皆さんが、川崎でシャドウラン・オンリー・コン「シャドウラン・カンファレンス2011」を開いてくださることになりました。私と西上もゲストGMとして参加する予定です。詳しくはこちら!
その他の記事は以下の通り。
・「深淵第二版」は、「アミイの旅立ち」で、前回に続き、ヴィーチェフ編。ヴァルハン族という、「深淵」世界におけるドワーフ相当の種族を、テンプレート化しました。
・「東京鬼祓師」は、西上柾君の手になる「花札の化身と龍珠堂」。高レベル向けのマップと隠人データつき。
・「霊障都市捜査ファイル」は、霊障都市における銃器の関係の解説。日本の警察の主力はニューナンブですが、生産は終了し、後継機種、S&WのM360J SAKURAへの移行が始まっています。また、今回は、「誤射」や「密造銃器」などに銃器と事件に関する小ネタを提供しています。
●近々のイベント予定
11/19 エクリプス・フェイズ体験会@R&Rステーション
GMは、朱鷺田と岡和田が務めます。午後2時開始ということで、朝ゆっくりという方もどうぞ。最近は、何か近所のカレー屋さんに行くのが好例になっていますねえ。
11/27 ゲーム・マーケット 今回は取材で行くことになりました。よろしくお願いします。
12/24 シャドウラン・カンファレンス2011 詳しくはこちら!
翻訳チームより、朱鷺田と西上がゲストGMとして参加します。
November 11, 2011
ファイアウォールへようこそ(21):エクリプス・フェイズ:超能力
「エクリプス・フェイズ」の紹介21。
この連載は、朱鷺田祐介が「エクリプス・フェイズ」をGMするための覚書的なものです。「エクリプス・フェイズ」は、「シャドウラン4th」のライン・ディベロッパーだったロブ・ボイルが作成した最新SF-RPGです。詳しくは、「エクリプス・フェイズ」関連エントリーを参照してください。
おかげ様で翻訳決定
未訳RPGの紹介ということで、手探りでやっている部分が多々ありますので、訳語の揺れはご容赦ください。
R&Rステーションで、体験会が予定されています。次回は11/19(土)を予定。
今回は、前回に続き、サンプル・キャラクターを紹介しながら、「エクリプス・フェイズ」の世界の四方山話をしていこうかと思います。
●サンプル・キャラクター四方山話:超能力者
悪い予感がする。 この道具は、去年、異星の二重太陽系にある遺跡から回収された物と非常によく似ている。 ---アルゴノーツの異星考古学者
「エクリプス・フェイズ」は、未来を舞台にしたSF-RPGで、先輩の「トラベラー」などと同じく、「超能力」が存在します。この世界での超能力は、エイリアンがもたらしたとされるエクスサージェント・ウィルスが引き起こした謎の突然変異で、本来であれば、罹患者は怪物化し、多くは死に至るのですが、特定の変異株の場合、症状が軽く、生き残った患者はPsi(サイ)能力を獲得します。これがいわゆる超能力で、主に、ESP(超感覚)系の超能力として発現します。エクスサージェント・ウィルスは、10年前、戦闘AI、ティターンズが反乱を起こして地球を壊滅した際には、バイオウィルス、ナノテクウィルス、デジタルウィルスとして、広くばら撒かれ、多くの人々や物体、プログラムにさえ感染し、多くの被害者を出しました。
Psi能力は、エクスサージェント・ウィルスが引き起こす訳なので、超能力を得たということは以下のいずれかの状況になります。
・エイリアンの遺跡、あるいは、レリック(遺物)、あるいはティターンズの遺産と接触し、感染した。
(例)アルゴノーツの異星考古学者
・エイリアン、もしくは、ティターンズの残した超技術を取り込んだ違法実験に関与した。
(例)月のエゴ・ハンター
基本的に、Psi能力を持っているということは、エクスサージェント・ウィルスの罹患者であるので、その事実を知られると忌避されます。「月のエゴ・ハンター」は、彼らを生み出した「未来計画」そのものの非人道性とも重なり、社会的な汚点とみなされています。
●ルール:Psi能力
PCが使用できるPsi能力は、レベル1と2です。
レベル1「Psi-Chi」は感知やテレパシー系の能力です。「Chi」は「氣」のことです。
レベル2「Psi-Gamma」はさらに精神などを操作する部分が現れ、精神を攻撃できるようにもなりますが、いわゆる念力や発火能力のレベルまではいきません。そのあたりは、NPCだけに許されたレベル3の世界です。
これらを取得するには、キャラクター作成時に特徴を取得し、かつ、「Sleight」と呼ばれるそれぞれの超能力発現形式、具体的な能力を取らなくてはなりません。また、それぞれの使用には「Sleight」に合わせて、「精神支配(Control)」「精神攻撃(Psi Assault)」「精神感知(Sense)」のいずれかの技能が必要です。
また、発動型のPsi能力は、「消耗(Strain)」が発生します。これは肉体へのダメージで、値は「(1d10÷2)+(Sleightごとの修正値)」となります。
多くの場合、対象は「意志(Will)」の2倍ロールで抵抗します。ルール上、高い技能を持つ超能力者に抵抗することは困難ですが、即死系のものはありませんし、脳がサイバーブレイン化されている合成義体(Synthmorph)やPODには効きにくいので、超能力者万能ということはありません。
November 06, 2011
深淵:歌の龍王登録、日々のつぶやき
色々締め切りで蟄居中。色々ファイルが大変です(汗)
●深淵:「歌の龍王」更新
「深淵」のウェブ連載「歌の龍王」の連載第62話「棍棒王の南下(1)」を登録いたしました。新章突入で、カスリーンとザンダルにとって、最大の激戦が始まります。続きは16日以降となります。
●色々なメモ
・仕事で、久しぶりに、シャドウラン4thのプレイヤーができそうので、「オーグメンテーション」入りの魔法使いを考えるのだが、クリッター用テイラード・フェノメノンを入れて、「サイバー剣歯虎を連れた古代エジプト出身のエルフ黒魔術師」とか、手のひらに追加のサイバーアイを入れて、物陰からでも「魔力破」が打てるバーンアウト・メイジとか、ろくでもないNPCしか思いつかない。
以前、作ったガンボーズ(仏教メイジ&リガー)がまともに見える。
ちなみに、これが蝉丸Pさんのギャング坊主@Pixiv
・明日から、神楽坂のアフリカ料理屋「トライブス」さんが10周年ウィークだそうです。
月曜日が10周年、火曜日はチャリティナイト、その後、ヤムイモ、カンガ(ファッション)と続きます。
締め切りその他の都合であまり行けそうにないのですが、どこかで顔を出す予定。
・ガンダムSEEDがHD化して来年新春から再放送!
個人的には、かなり好きなシリーズで、TRPG化したかったほど。
・新規アニメはできるだけ頑張ってみてますが、お色気ハーレム系はちょっと落としつつあり。
Fate/Zeroは、妙にシャドウランっぽいマスターのムーブとか、ジル・ド・レイ暴走がよし。
あと、今さらながら、MX-TOKYOの化物語を楽しんでおります。戦場ヶ原ひたぎがすごいな。
・Mixiの表示改悪は、Facebookの真似をしたかったのだなと、思い至る。
より大手に追随する道は、SNSの個性を減らすので、やめてほしいなあと。
・Twitterかどこかで、「TPPを黒船に例える人は多いが、黒船来航後、15年に渡る幕末の動乱を経て、江戸幕府が崩壊したことを知っておいてほしい」という趣旨の発言を見て、TPPの危険性を再認識する。
黒船から始まる準備不足の開国が、その後、日本が200%を超えるインフレに襲われ、鎖国前提の経済体制を敷いていた当時の国家体制(江戸幕府)が崩壊し、明治10年(西南の役)まで続く内戦、半世紀続く不平等条約改正作業につながったことを、民主党には理解してほしい。
これから20年、あるいは、半世紀に渡る日本の命運を彼らは握っている覚悟があるのか?
・土曜日の「世界ふしぎ発見」はトルクメニスタンにあった古代マルギアナ文明。
初代「ブルーローズ」(2002)の時には、まだ、トルクメニスタンの情報公開が進んでいなくて、謎の文明に留まっていました。それでも謎の文明とか書きましたが、2011年にはゴヌール遺跡が見られるとは。ゾロアスター教誕生にまつわるという、天然ガスが燃え続けるクレーターの話は興味深かった。
November 05, 2011
ファイアウォールへようこそ(20):エクリプス・フェイズ:タコはサイボーグの夢を見るか?
「エクリプス・フェイズ」の紹介20。
この連載は、朱鷺田祐介が「エクリプス・フェイズ」をGMするための覚書的なものです。「エクリプス・フェイズ」は、「シャドウラン4th」のライン・ディベロッパーだったロブ・ボイルが作成した最新SF-RPGです。詳しくは、「エクリプス・フェイズ」関連エントリーを参照してください。
おかげ様で翻訳決定
未訳RPGの紹介ということで、手探りでやっている部分が多々ありますので、訳語の揺れはご容赦ください。
R&Rステーションで、体験会が予定されています。次回は11/19(土)を予定。
今回から、しばし、サンプル・キャラクターを紹介しながら、「エクリプス・フェイズ」の世界の四方山話をしていこうかと思います。
●サンプル・キャラクター四方山話:メルクリウスの盗掘屋/ Mercurial Scavenger
ああ、拳で這い回る馬鹿猿でも捕まえようって類の罠だねえ。 でも、私の優れた身体は、容易にすり抜けられますよ。 ---メルクリウスの盗掘屋/ Mercurial Scavenger
7月からR&Rステーションで、「エクリプス・フェイズ」の体験会が始まり、内外で何度もセッションをしてきましたが、サンプル・キャラクターを並べてみると、やはり人気なのが、知性化されたタコである「メルクリウスの盗掘屋/ Mercurial Scavenger」です。
古今東西、色々なキャラクターがプレイできるRPGがあります。国産ですら、鮭だの、雪だるまだの、都市伝説だのがプレイできるゲームがある訳ですが、基本ルールのサンプル・キャラクターにタコが載っているというのはさすがにレアでしょう。
それも知性化されたタコですよ。
「エクリプス・フェイズ」は多くの現代SFから影響を受けている訳ですが、「知性化戦争」を始めとする、さまざまな作品に、動物を知性化して人類の助手や友人にしようというアイデアが登場します。通常は、比較的知性が高いとされる、イルカやシャチ、あるいは、類人猿や犬が候補に上がりますが、「エクリプス・フェイズ」では、類人猿(ゴリラ、チンパンジー、オランウータン、テナガザルなど)に加えて、カラスやオウム、そして、タコを知性化しました。最近、発行されたサプリメント「Panopticon」では、イルカやシャチに加え、猫や犬を差し置いて、豚の知性化種が登場しています。
実際、タコは頭足類、どちらかと言えば、貝に近い軟体動物ですが、その知性は非常に高いと言われています。海外での実験ではタコが迷路を抜けたり、罠を外したり、瓶の栓を回して開けたりする上、見た事柄を学習できることまでが確認されています。タコは「寿命が短い」「子育てをしない」という障害があるため、個々の知性や知識、経験を子孫に伝えることができず、文明を築くには至っていませんが、下手な猿より賢いとも言われています。
これを知性化した結果、8本の作業肢を自在に操り、どんな隙間にでも入り込める狡猾な生命体が出来上がりました。その外見は、ウェルズの「宇宙戦争」に登場したタコ型火星人よりも妙にリアルで、かつ、ファンシーな生き物です。
●知性化タコの視点
あなたもまた「知性化種」の一員であるが、周囲にいる強化猿たちが様々な弱点---手足があなたの半分の数しかないとか、視覚に死角があるとか、かっちりした骨格はすぐに折れてしまうとか---を持っていることで気が咎めることはない。
---メルクリウスの盗掘屋(説明の一部)
「メルクリウスの盗掘屋」は、イラストだけでなく、非常によく出来たサンプル・キャラクターです。役割分担としては、潜入や技術関係を扱う「シーフ系」の立ち位置で、潜入、爆破などの便利な技能を持っています。回避技能がないため、戦闘を無傷で生き残るのは難しいが、所持するヘビー・ピストルは十分に身を守ることができます。母国語が日本語で、趣味が水墨画というネタっぽい側面もあり、セッションを楽しくしてくれる存在です。
知性化されたタコの視点が明示されていて、「人間はよく分からないよね」とか(どこぞのマスコット・キャラもどきのように)ぼやきながら、いかにも、SFらしく、人類とタコの違いをロールプレイできるのは、最大の魅力でしょう。実際、「タコのPCを遊びました」というだけでも、話のネタとして十分な話題性がありますが、データ的にもサポートされているのはありがたいところです。
「エクリプス・フェイズ」には、この他にも、「群体義体、つまり、機械虫の群れの上にクラウドコンピューティングして、魂を載せた犯罪者のハッカー」とか、「蛇型義体でにょろにょろ這いまわる宇宙の密輸業者」とか、「肉体のない情報生命体」とか、「太陽のコロナの中を泳ぐ宇宙クジラ」とか、イラストとコンセプトの段階で、すでにインパクトがあるサンプル・キャラクターが色々登場します。どうやってプレイするのか、というあたりもありますが、意外にも、世界を覆うメッシュの存在や、義体の乗り換えというシステムにより、それなりに活躍できるようになっています。
●タコはサイボーグの夢を見るか?
「メルクリウスの盗掘屋」は外見のキッチュさとは裏腹に、非常に使いやすいキャラクターです。技能が充実しており、「回避」をのぞけば、そこそこ充実しており、いつもは遭難した宇宙船や廃棄された宇宙コロニーからのサルベージで食べている関係で、秘密組織「ファイアウォール」が依頼してくる、エイリアンのレリック探し、禁忌とされるテクノロジーの調査など任務に適応しています。動機が「+探索 +地球奪還 +知性化種の権利獲得」であることも、冒険に参加しやすくなっています。
タコの義体は、タコ自身のクローンボディをベースにした専用義体「オクトモーフ」で、タコの柔軟で迷彩能力のある肉体をそのままに、感覚器系を強化し、電磁気、放射線などを感知できる他、医療用ナノウェアまで仕込んでいます。
装備面は、サルベージ業者らしい、センサーと工具類が中心ですが、宇宙船解体などで使うらしい超テルミット爆薬が目を引きます。解体用の高熱を発する爆薬ですが、エクスサージェント・ウィルスをはじめ、謎のナノテク兵器、疫病兵器などが蔓延するAF10年の世界では、敵や危険なレリック、時には、兵器ウィルスに感染してしまった味方や自分自身を焼き払うのに便利な爆発物として多用されがちです。
ちなみに、「エクリプス・フェイズ」は、トランスヒューマン時代の太陽系を舞台にした「恐怖と陰謀のRPG」なので、恐怖と狂気のルールがあります。エイリアンのレリックとか、反乱を起こした戦闘AI「ティターンズ」の遺産とかに接触すると、発狂してしまったりします。すばらしい「精神障害」の一覧表もあります。
では、タコが発狂したら、どうなるのか?
ちゃんと解説されています。
自らの足を食べ始めてしまうのです。
実際、現実のタコも、狭い水槽で飼育されるなどして、ストレスがたまると、自分の足を食べてしまうそうです。素晴らしい。ちゃんとSFですね。