エクリプス・フェイズ:惑星ドロップレット 「デイビス島の殺人」
昨日は来年翻訳予定のSF-TRPG「エクリプス・フェイズ」体験会@R&Rステーション。
今回は、「基本ルール」と「SUNWARD」のサンプルキャラクターに加えて、ルール確認を兼ねて自作した5体のキャラクターを投入。
上左より。
・ネオ・パロット(新オウム類)の交易商
知性化されたオウム。交渉担当ですが、なぜか銃を撃ちまくる。
・メルクリウスの暗殺者
ハイパー・ギボンPODというテナガザルを電脳化した猿用小型義体。
中身はなぜかゴリラで、局地戦用。足で毒入りナイフを使用する。
・アクアノートの探索者
水中用義体。深海200mまで自由に活動できる。元競泳選手だが、海底のエイリアン遺跡に接触して、超能力に目覚め、異星言語学の専門家として、活動中。
・リキッドシルバーの監察官
水銀状可変外装で自在に変装できる鋼の義体。合計義体にしかなれないようですが、こちらも、隠密工作員風に変更。実際には、顔はありません。
そして、一番前。
・ウィップラッシュの探索者
ゲート・クラッシャーで異星探検をしているうちに、異星生物に見せられた人物。使用している義体は、エコーIVに住む、肉食植物「ウィップラッシュ」を電脳化した上、装甲強化と加速装置、センサーをぶちこんだ半生体義体。外見はどう見ても謎のエイリアン・モンスター。
シナリオとしては、滅びたエイリアンの遺跡がある海洋惑星ドロップレット(水滴)のデイビス島考古学研究所で起こった殺人事件に挑むというもの。今回のPCは以下の通り。
・サラ・ディーゼル (アクアノートの探索者)
デイビス島研究所の水中考古学者。元競泳選手で超能力者。色々感じてしまう。
・ルドルフ・ゼーラ (ウィップラッシュの探索者)
異星植物学者。異星探査にかけるあまり、自分も異星の肉食植物の義体を使用する。どう見てもエイリアンだが、本人的には、可愛いらしい。
・ウラジミール・ミハイルヴィチ・コロリョフ(ダイレクト・アクション社の傭兵)
研究所の警備担当者。火力過多気味の戦闘義体「リーパー(死神)」を使用するが、本人はあくまでも、サラリーマンであると主張している。実質的なリーダー。
■デイビス島の殺人
太陽系外惑星ドロップレットは、地表の90%以上を水で覆われた海洋惑星である。この惑星ではかつて、多脚で鱗を持つヨロイザメとカニの中間のような外見を持つ水陸両生型の種族、通称「アンフィブ」が文明を築いていたが、宇宙に旅立つ前に謎の絶滅を遂げた。彼らとは別に、10億年ほど前、「イクトミ」という呼ばれるクモ型の種族がこの惑星を訪れ、デイビス島の沖合に、海面から高くつきだした巨大なマッシュルーム状の建造物「トードストゥール(キノコの一種/ヒキガエルの椅子)」を残した。「アンフィブ」はこれを信仰していたらしく、その周囲の海底に都市遺跡が多数残っている。
「アンフィブ」絶滅の数百万年後、土星の衛星で発見された「パンドラ・ゲート」を抜けて、このドロップレットに到達した太陽系人類は、「アンフィブ」と「イクトミ」などのエイリアン遺跡を調査していた。「トードストゥール」に近いデイビス島には、火星大学のデイビス島研究所があった。
事件の経過は以下の通り。
・2週間前、同研究所の科学者「アンジェラ・A・アキ」博士(ミドル・ネームのAはエイプ、彼女は知性化チンパンジー)が、ドリーム・シェルと呼ばれる謎の遺物を回収し、研究していることを発表した。
・1週間前、パンドラ・ゲートの接続日。
資材調達とともに、火星のジャーナリスト「クレル・クイン」、エクストロピアの交易商「キャプテン・ピーター・P・ピータースン」(ミドル・ネームのPは、パロット(オウム)のP)、ハイパー・ギボンの機械技術者ジョージ・G・ゴルバチョフ(ミドル・ネームのGはゴリラ。彼の中身は知性化されたゴリラである)などがやってきて、短期滞在中。
翌日より、ゲートが不調。接続は回復せず。
・シナリオ開始時。
考古学研究室のジャック・スヴェンソン博士が殺害され、頭部が持ち去られ、胴体には死体処理用のナノマシンが振りかけられていた。
太陽系外惑星の研究施設で、殺人事件が起こるというシナリオ。犯人は、エクスサージェント・ウィルスでエイリアン化しつつあるミュータント・テロリストという話で、犯人はこの二人。
警備員のウラジミールが事件の捜査を命じられ、サラとルドルフと一緒に捜査を始めるが、ゲートの不調を引き起こし、研究所のメッシュ(ネットワーク)にウィルス・プログラムを流しこむなど、ヤリ放題のテロリストに翻弄されるPCたち。いきなり、研究所の情報生命体、ミス・マーキュリアル(AI)がウィルスで暴走し、仮想現実空間で会議中だったルドルフが、ウィルス感染して医務室送りに。エイリアンの食肉植物を電脳化したユニークなPODが裏目に出たらしく、謎の夢を見るはめに。
殺人現場で、テナガザルの毛を発見した一行は、彼らの客室に向かうが、すでにジョージとピーターは逃げた後。「トードストゥール」を見に言ったり試行錯誤していると、研究所の副所長グレン・マクダフが、ジョージの襲われて殺されてしまう。超テルミット爆薬をクレイモア風に使ったトラップを何とか回避したものの、ジョージとピーターは、研究室から何かを持ち去っていた。残っているのは首無し、ナノマシンに分解されつつある副所長の死体。
換気口から二人が逃げたことを知ったPCたちは必死で彼らを追いかけ、車両倉庫で彼らに追いつき、銃撃戦となる。激しい銃撃戦の末、オウムのピーターを捕獲するも、加速装置つきの戦闘用ハイパー・ギボンPODを使うジョージは煙幕弾で逃げてしまう。
ピーターは、エクスサージェントの本性を表し、怪物化するが、ウラジミールのミサイルで焼き払われた。
慌てて、追いかけたPCたちは、待機させておいたドローン「ナッツ」のおかげで、ジョージが「トードストゥール」近くの海底遺跡に向かったことを知る。海中は大型の多脚鎧サメのような肉食生物のすみかであったが、なんとか、目的の遺跡へと泳ぎこむ。ジョージは、ドローンと破片手榴弾を組み合わせたトラップを仕掛けるが、なんとか切り抜けたPCは、遺跡内部の空気のある空間へ向かう。
奇妙な階段の上に広がる謎の空洞には、未発見のパンドラ・ゲートがあり、エクスサージェント化したジョージは、ドリーム・シェルを使って、それを開放し、銀河中核の力を得ようとしていたのだ。パンドラ・ゲートのガーディアンである謎のエイリアン・マシン「フラクタル」を起動したジョージとの戦いは激戦となる。
ハイパー・ギボンとフラクタル2体は、強力ではあるが、ダイレクト・アクション社の戦闘要員であるウラジミールを含むパーティならば、十分に倒せる敵であったが、そのウラジミールがいきなりレールガンのフルオート射撃で、クリティカル失敗(99)を振り、ルドルフに向かって、フレンドリー・ファイア! ルドルフの戦力を7割削り落としてしまう。「範囲攻撃以外は、最低ダメージしか受けない」というフラクタルの特性が、微妙に状況を膠着させてしまう。
なんとか、ジョージに火力を集中して倒すも、倒しきれないフラクタルの攻撃で、ウラジミールが倒れ、援護しようとしたサラのシュレッダー(破片ピストル)がまたもクリティカル失敗。フレンドリー・ファイアとなってルドルフが死亡。サラも逃げられずにフラクタルからの射撃を浴びて死亡した。
1日後、ルドルフが装備していた、ダンゴムシ型の小型予備義体「スペア」が3人のスタック(大脳皮質記録装置)を回収して帰還。研究所の仮想現実空間で再生される。
所長いわく「何が起こったかは分からない。ただし、海面が上昇し、このデイビス島研究所は水没する可能性があり、我々は回復したゲートから一時避難する」
かくして、PC3名はスタックの状態で地球へ帰還することになった。
(終わり)
テロリストとの銃撃戦で、クリティカル失敗が続発して、PC側全滅でEND。
それでも、なんとか記憶だけは回収できた。
スペアの存在がなければ、「前の君たちがどうなったか」も分からなかったところでした。
次回は、1月28日(土)の予定。