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January 26, 2012

クトゥルフCON:彼方から来た吸血鬼

 多忙と風邪が重なって先週末からダメダメでした。なんとか一本記事を仕上げて月末まで別の修羅場へ。
 忘れないうちに、日曜日のクトゥルフCONのレポを。

●クトゥルフCON:彼方から来た吸血鬼

 まず、概要

1)キーパー名:朱鷺田祐介 2)シナリオタイトル:彼方より来たりし吸血鬼

3)使用システム・サプリメント:『クトゥルフ神話TRPG』
4)時代背景: 1935年頃、アメリカ、ラヴクラフト・カントリー
5)募集PL人数: 3~5 人(推奨4~5 人)
6)TRPG初心者対応: 可
7)CoC初心者対応: 可
8)探索者作成: その場にて作成。
9)シナリオ内容:

 プロヴィデンスの街、フェデラル・ヒルの教会に近いあたり。
 とある老オカルト研究家が死んでから10年。
 奇妙な噂が街に広がり始めた。
「アジアから来た吸血鬼が街に現れた」と。

10)特記事項:ロバート・ブロックの「星から来たもの」およびラヴクラフトの「闇をさまよう者」をベースに、アジア風のテイストを含めた、魔物退治モノです。

 クトゥルフCONにゲストで招聘されるようになって何年か経ちますが、今回は初めて、まともな1930年ラヴクラフト・カントリーでのシナリオ。今まで、「比叡山炎上」(戦国)とか、幕末とか、現代物が多かったのです。河嶋陶一郎さんの「シノビガミ・クトゥルフ」があったので、「エクリプス・フェイズ」(+クトゥルフ)とかも考えましたが、吸血鬼ネタをプレイしたかったので、久しぶりのプロヴィデンス、スタンダードな1930年もので。

 プロヴィデンスの港近くに店を構える貿易商ジョナサン・ブラウスキーが行方不明となり、婚約者から捜索の依頼を受けた女探偵と仲間たちがその足跡を追いかけるというもの。

アンジェラ・ベネット(30)
女探偵。夫の死後、その探偵事務所を引き継いだ。格闘の名手。

ステファン・ダービー(43)
医師。最近、市内で続く衰弱死事件に注目していた。

レジーナ・ベンソン(26)
若いホラー作家。かつて、プロヴィデンスに住む老作家に憧れていた。

マーク・ハミルトン(28)
売れない芸術家。パルプ雑誌でイラストを書いて暮らしている。実は超イケメン。

サイモン・ライト(28)
オカルトかぶれの古物商。アトランティスとか大好き。

 物語は、一見、どこにでもありそうな失踪事件から始まります。半月ほど前から、婚約者ジョナサンの様子がおかしくなり、ついに一週間ほど前から失踪してしまったというものですが、プロヴィデンスでは、謎の衰弱死事件も起こっており、一同、気になるところです。
 まずは、港に近いジョナサンの事務所兼自宅に向かうと、無人であらされた様子もない。帳簿を見ると、一ヶ月前に、アジアから来た貨物船から謎のミイラと神像を含む骨董を買い取ったらしい。事務所には忌まわしい象の頭をした神像が残っていた。倉庫を探すと、名前を削られたアジア風の棺桶があるが、中身はない。まるで胴体の中央に穴があいたような染みが残っているだけでした。

 ジョナサンの知人の貿易商に聞くと、失踪直前に、歓楽街で彼らはアジアからやってきたという、美しい娼婦「レディ・バロン」と出会ったことが分かる。ジョナサンは彼女に魅了され、いい仲になったらしい。「レディ・バロン」の家は分からないが、墓地に近いあたりらしい。

 さらに、警察のモルグや大学図書館で、調査した結果、「レディ・バロン」こそジャワ島からやってきた女吸血鬼スンダル・ボロンであり、連続衰弱死事件の原因であると目星をつけた一行は、吸血鬼を退治するために必要な情報を求めて、図書館から「イスラムの琴」なる禁断の魔道書を持ちだしたまま、死んだ老作家の家を訪ねることにした。
 そこで、実はジョナサンが疾走する前、何かを求めて、やはり、老作家の家を訪れていたことが分かる。ジョナサンは、彼が何か危険なものを見つけてしまったことに気づいていたのだ。

 老作家の家に向かった一行は、10年前から閉鎖されたはずの家に、来訪者がいた足あとを見つける。さらに、女吸血鬼「スンダル・ボロン」の痕跡を見つけ、警戒しながら、家へ踏み込む。おそらく、ジョナサンとレディ・バロンはすでにここに来ていたのだ。
 ここで、キーパーは「マンション・オブ・マッドネス」で屋敷を展開。
 探索者たちは、息を潜めて、家に踏み込み、老作家の書斎で「イスラムの琴」こと「魔道書ネクロノミコン」を発見する。かつて、この書斎で老作家は、この魔道書を用いて何かをし、怪死したのだ。残されたノートと、ジョナサンのメモ書きから、ジョナサンが老作家のことを聞いており、アジアから来た吸血鬼を退治するため、魔道書を探しに来たことを知る。
 作家が必死で魔道書を読み、応用できそうな呪文「星の吸血鬼の退散」を見つけ出す。かつて、老作家が死んだ際についた開きグセが手がかりになった。

 「魔道書」を抱えて地下室に向かった一行は、生きたまま、捕まっていたジョナサンを発見するも、箱の中で眠っていたスンダル・ボロンを起こしてしまい、戦闘になる。レジーナが退散の呪文を唱える中、ジョナサンを救出、吸血鬼に銃撃を放つが、マークが吸血鬼に襲われ、一気に血を吸われて死んでしまう。やむなく、アンジェラが前に出て、直接、やりあい、大打撃を与えたところで、呪文が完成する。女吸血鬼を動かしていた異形のオーラは破壊され、吸血鬼は元のミイラに戻って砕け散った。
 かくして、プロヴィデンスに平和が戻ってきた。

~FIN~

 死亡1名はやむなしというあたりか。吸血鬼の吸血攻撃(STRを吸う)が、もっとも貧弱な色男のところにいってしまったのだ。参加者の総意としては、「死因:イケメン」ということで。女吸血鬼に吸いつくされたのだから。

 状況としては、「星から来たもの」で、某プロヴィデンス在住のホラー作家が怪死してから10年、「闇をさまよう者」で若きホラー作家ロバート・ブレイクが怪死する直前、という時代設定ですが、それはあくまでも、GMがクトゥルフ・ファン向けに設定した予備フックで、本質はアジアから来た女吸血鬼「スンダル・ボロン」の話です。
 「スンダル・ボロン」は、マレー語で「穴の開いた女(娼婦、ビッチ)」「雌犬の穴」などという意味合いを持つ、ふしだらな女への蔑称で、悪い男にひっかかって乱暴され、死んだ女の悪霊が吸血鬼となったものです。

 今回は、宮城と岐阜からの参加者もあり、ずいぶんと盛況でした。
 「マンション・オブ・マッドネス」は、クトゥルフの小道具としてはなかなかいい感じです。

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