シャドウラン4th:キャラクター・コンテスト 結果発表
朱鷺田祐介です。
今回は第二回キャラクター・コンテストに多数の応募ありがとうございました。
個々の作品は「シャドウラン4th 別館」で見ることができます。
【審査結果】
今回の優勝は、朱鷺田の独断と偏見で、Think(思考)さんの「ストリート・サーファー・ガール」に決定いたしました。おめでとうございます。
★CC15:ストリート・サーファー・ガール
アメリカ映画やTVドラマで都市の道路をスケートで滑る女の子、いますよね。その2070年代バージョンとして非常によくできています。両足にサイバースケート、片手に電磁システム&グラップル・ハンド、こっそりネオEPOと小技も聞いています。
見ていて華があるのも、よい点です。
こちらにつきましては、編集部と協議の上、来月以降のR&R誌上で紹介させていただきたいと思います。
また、Think(思考)さんには、賞品として、「シャドウラン20周年記念ルールブック 日本語版」を、発売時にお送りします。現在、翻訳の最終チェック中ですので、もう少しだけお待ちください。別途メールにて、送付先をご確認させていただきます。
【入選】
以下の作品は、優勝作ではなかったものの、朱鷺田が感銘を受けたものをいくつか挙げさせていただきます。
☆CC07:サイバーリム・ガール
サイバーリムは夢ですよね。初版シナリオの「マーキュリアル」でも四肢を銀のサイバーリムに変えたアイドルが登場しますが、こうした変化はチャーミングなものです。キックボクシング専用のフィート・オブ・フューリーに特化し、ジャッキを入れているのも朱鷺田的な評価ポイントです。
☆CC08:トロール・パワードスーツ
ガンダム・ネタは、いいですね。
それはさておき、このキャラクターの注目点は資質「強化遺伝子の継承者」と、「動物の形質」のコンボ技を発見したことです。ここはキャラクター・コンテストを開催しただけの価値を感じました。翻訳チームとしては、ルール上、可能ですが、「神経増速(2)」など高価なバイオウェアをこれで獲得するような濫用には注意すべきと感じます。GMは却下してもよいでしょう。そうした裁定をせざるを得ないため、この作品を最優秀には選びませんが、投稿者を始め、『オーグメンテーション』を読み込んでくださった皆さんに、感謝を捧げます。
☆CC12:レスキュー・ドクター
エッセンス6の医療系アデプトで、どこに『オーグメンテーション』を使っているの?と思ったら、医薬品ががっつり導入されており、目から鱗が落ちました。これも、キャラコンの成果です。ありがとうございます。
☆CC21:マシンナーズ・インファントリー
この名前を見ると「スプリガン」を思い出します。
それはさておき、軽サイバー化兵士というコンセプトで、サイバーウェア・スイートを使ってみていただいたのは実にありがたい。これも「オーグメンテーション」のセールス・ポイントですからね。
「サイバーウェア・スイートが邪魔して思うように強化できないジレンマを楽しんで頂ければ本望です」というコメントを見て、よくわかっていらっしゃると思いました。
【総評】
CC01:ストリート・エルフ・メイジ
「オーグメンテーション」と「ストリート・マジック」を導入して、サイバーメイジの可能性を考えてくださった点が好印象のキャラクター。魔法特化しすぎて、能力値1が三つもあるので、使いにくい部分はあるかと思います。
レーダーセンサーによる魔法照準ですが、電磁波というテクノロジカルな媒体を用いたセンサーの場合、エッセンスを支払っていても解釈に技術装置が介在するので、やはり、魔法の照準に使用できないと思います。これに関しては、イベントでの私の回答が間違っていましたので、お詫び申し上げます。
002:トロール・フォーマー・ギャンガー
こちらも艾さんの応募作。トロールに中古のムーヴ・バイ・ワイアを放り込んで固く、強くという汎用性を高めたという点で、「オーグメンテーション」をきちんと使ってくださったありがたい作品。中古ルール使用の分かりやすい例でした。
CC03:サイバー人狼
サイバーウェアで固めた人狼、というニュアンスでデザインされたサイバー兵士。ジーン・フリークスをうまく使った感じで、使いやすいキャラクターだと思います。人狼については、未訳サプリ「ランナーズ・コンパニオン」で狼のシェイプチャンジャーとか、HMHVV感染者のルー・ガルーがおりますので、いずれご紹介できればと思います。
CC04:メディカル・キャット
猫耳ナースという一見、色物っぽいキャラですが、医療用ジレットというコンセプトは面白いですね。インプラント適合性は『オーグメンテーション』をうまく使うキーのひとつなので、その辺も高評価。知識技能〈3Dドラマ・ナイチンゲールシリーズ〉とかキャラクター造形もよし。しかし、「制眠器」か。どれだけハードな現場なんだろう。
CC05:エルフ・ボディガード
都市型サムライの一形態として、ボディガード系のコンセプトを固めた作品。突出したところはありませんが、いぶし銀のキャラクターですね。注意力コプロセッサなど、アイテムもいい感じです。
CC06:ARハッカー
いわゆるコンバット・ハッカー系で、AR特化というのはなかなか面白いものです。資質「焦げ付き」「過敏な神経構造」は、ハッカーとしてはかなり危険ですが、キャラクター立てとしてエキサイティングですね。
CC09:ジーンフリーク・ハッカー
遺伝子系を詰め込んで出来上がったコンバット・ハッカー。「強化遺伝子の継承者」コンボ入りでなかなかの無双ぶりですが、コメント欄より良識を感じさせます。
CC10:ソーシャルマンサー
サイバーFaceという流れは、拙著「天使」シリーズのホリーにも通じますが、テイラード・フェロモンに加えて、偽装外面を入れ、コンタクトをがっつり買ったのは面白いですね。ただし、戦闘能力にこだわりすぎているような気がします。ステルス系か魔法系にシフトするのも面白かったでしょう。英語的には、ソシオマンサーですかね。
CC11:ハリウッド・アクション
とにかく、ばんばん避ける。リアKトと戦闘感覚を注ぎ込んだ回避特化型アクション・ヒーロー。回避アデプトというのは、4版翻訳チームでも「よくない生き物」の一例でした。弱点は『オーグメンテーション』の色が弱いことだけ。
CC13:クローム・バッド・ヒーロー
「蜘蛛糸分泌腺」、来ましたね。「シャドウラン」はサイバーパンク&ファンタジーRPGですが、割りとアメコミ好きが多いらしく、アメコミ再現系のネタが色々入っています。そのあたりをうまく使ったステルス系正義の味方として、よくできていると思います。
CC14:バーンドアウト・メイジ
初版から人気のあったバーンドアウト・メイジの最新型。コンバット・メイジの不安定さを除いたあたりが使いやすいかと思います。
「強化遺伝子の継承者」コンボはやっぱりよくないなあ。
CC16:ヒューマニスト・オーク
オークが嫌いで人間風にメタタイプ変更までしてしまったオークの探偵という設定がいい。投擲用に専用サイバーアームまでつけている点も面白いですが、これはキャラクターを分けて、もっと探偵っぽくしたり、オーク嫌いが突き出せそうな設定にしたりすると面白いかもしれません。臭覚強化系とか。
CC17:アンシーリー・コート
ステルス系のサイバー鼠シャーマンが、エルフの王宮を意味する「アンシーリー・コート」を名乗るのは命がけですな。強くはなりましたが、改造した理由がやや弱い感じがします。
CC18:コンバット・ハッカー
中古ウェアを入れすぎて、中古女扱いされるコンバット・ハッカーというのはネタとして、実に面白いですね。きちんと強くて使えるのは評価しますが、さらに中古ネタを加速してほしいところです。その場合、「強化遺伝子の継承者」コンボがちょっと浮いた感じになりますね。
CC20:オーク・アンダーグラウンド・スラッガー
オーク・ギャンガーの成れの果て、というか、海外刑事ドラマに出てきそうな人生が素敵。コンセプトの勝利という感じですね。
CC22:ワンマン・アーミー
3世界制覇は男の夢です。うん。
ただし、ちょっとドローンや精霊に頼り過ぎて、それぞれ制覇できない感じになってしまっています。能力値の低さ、所持金とライフスタイルから、2回目のセッションで稼働しないユニットが増えそうですねえ。
あと、資質「ナノ不耐」以外で、もう少し「オーグメンテーション」の要素が入っているとありがたいですね。
CC23:ドワーフ・クラッカー
シャドウランにおけるドワーフの不遇さは、涙をそそるものがありますよね。そういう意味でチャレンジングなコンバット・ハッカーを作ってくれたことに感謝します。でも、「不運」はやりすぎでしょう(汗)
CC24:ストーキング・アデプト
資質「タイプO細胞」は、非常にやばい資質であると考えております。バイオウェアのエッセンス半減は絶対危険ですし、成長の伸びしろが恐ろしい。そういう意味で、アデプトと組み合わせ、「胃神経刺激器」まで投入したこの作品は評価したいあたり。「戦闘硬直」がちょっとやりすぎ。
CC25:マン・キャッチャー
素手捕獲の専門家。オルソスキン・アップグレード(電撃)をうまく使っているのが評価のポイント。点穴とかいいですねえ。
CC26:エルフ・ウィズワーズ・アデプト
アデプト・パワー「命令の声」は非常に危険なパワーでして、私も一度、歌唱特化アデプトとか作りましたが、こちらはそのバイオウェア・バージョン。「タイプO細胞」とアデプトの組み合わせで、ここまで出来るというのが、実に興味深いですね。