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April 23, 2013

東京深淵CONシキサイ:時を越え、世界を

 あっという間に2週間、更新できませんでしたので、覚書代わりに更新。

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■東京深淵CONシキサイ:時を越え、世界を

 21日の日曜日は、「東京深淵CON シキサイ」。ファン主催の「深淵」オンリー・コンベンションも、季刊開催で40回目。なんと10周年です。こうしたファンの活動が、「深淵」というTRPGを支えてくださっています。ありがとうございます。

 朱鷺田は今回、渦型、すなわち、即興型のセッション。

 まず、自由に選んでいただき、運命の幻視を経て出来上がったのは以下の4人。

・貧乏貴族 バルムンク・リヒテット
 運命「変わり者の親族」「恐怖症」
 貧乏貴族で、犬の遠吠えに対する恐怖症があり、変わり者の叔父の世話になることに。叔父はなぜか魔剣持ち。

・能吏ザハーク
 運命「悪意の噂」「待機」
 ラルナック騎士団領の有能な官僚だが、魔族の手先(運命「封印の破壊者」と噂されている。いつか来る人のために待っている。

・少女 アレクサ
 運命「沈黙の刻印(黒い翼ガープリス):ガルギル化1」「異行の刻印(右手が白い翼):吸血鬼化1」
 二騎の魔族に呪われ、醜い姿になった少女。いつか妖魔になってしまう可能性に怯える村人たちに疎まれている。

・龍司祭 ベルース
 運命「教団からの脱出」「死の約定(蛇の巣なる者スリムレイ)」
 龍王教団に属する司祭であるが、教団の殺戮に疑問をいだき、脱出を図り、魔族に魂を売った。

■物語

 物語は、能吏ザハークの運命「待機」の相手が、20年の時を越えてやってきた「若き姫君」であることから動き出した。
 ラルナック国のとある森で、時の彼方から現れた若き姫君(ステラ・マリス)から、世界を救うため、力を貸してほしいと言われた能吏ザハークは、これこそ運命の時としり、彼女とともに戦うことを決意し、彼女の指示する通り、3人の勇者候補生を探す。
 貧乏貴族バルムンクは、叔父より魔剣を得て冒険に参加することを決意した。
 異形の少女アレクサは、貴族が訪ねてきただけで、生贄のように差し出された。
 魔族より助言を与えられた龍司祭ベルースは、自らの野望のため、姫の行動に手を貸すことにした。

 龍司祭ベルースの手引きで、龍王教団の狂信者たちが跳梁する荒野を旅していく。ザハークは、ベルースから渡された龍王教典の狂気にさらされながらも、必死に理性を保つ。殺戮の吹き抜けた荒野だったが、異形の司祭に導かれた龍王教団の領地では人は形などで差別されなかった。アレクサは村にいたころの差別の視線から解放され、姫君への忠誠を深めていった。

 やがて、ヴァルハン族の工房都市だったカーンの廃墟に到達した一行は、ヴァルハン族の飛空船を手に入れるため、龍王教団が残した偽龍ウィブラールと戦うことになる。バルムンクの魔剣がうなり、一気にその生命力の大半を奪うが、火龍の反撃から姫と自分を守るため、バルムンクは魔剣を落としてしまう。そこでザハークが駆け寄り、文字通り、命を削って魔剣を振るい、ウィブラールを倒した。

 宝庫の中に発見したヴァルハン族の飛空船に乗り込むと、アレクサの中に「深淵の扉」を開く力が目覚めた。若き姫君とアレクサの力で、飛空船は時を越え、未来の空へと飛ぶ。天空より来る大いなる星の魔王を迎撃する。これもまた、バルムンクの魔剣の力であった。

 無事、世界は救われた。

 ステラ・マリスは、一行に選択の機会を与えた。
 このまま未来に残り、ステラとともに世界を守るか、過去に戻り、日常を取り戻すか。

 飛空船の導き手となったアレクサは姫君に仕えることを望んだ。

 バルムンクは、魔剣とともに過去に戻った。
 いずれ、姫君が必要とする時まで魔剣を封じることにした。

 ザハークも過去に戻り、ラルナック国のために尽くして過ごした。
 あの日、数日、行方不明になったこと、ベルースから与えられた龍王教典の存在は、彼につきまとう悪意の噂を強めこそすれ、打ち消してはくれなかったが、ベルースとの経験は、ラルナック国と龍王教団の関係をぎりぎりの平和に留め置くことに役立った。

 龍司祭ベルースは、姫とともに未来に残った。彼の邪悪は消えていなかったが、ステラ・マリスには、その邪悪さが必要だったのである。

 ~終わり~

 するりと、渦型のピースがまとまり、キレイな幻想物語となりました。

 次回は7月28日(日)とのこと。

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