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July 05, 2014

第二回北陸深淵CON:時は円環のごとく

 6月29日、金沢で開催された「第2回北陸深淵CON」にゲストで参加して参りました。

■28日金沢入り

 朝九時の新幹線で東京発、越後湯沢で特急はくたかに乗り換えて午後一時には金沢着。旅程は、東京深淵CONシキサイ主催の印南君他、あーさん、白兎さんと軽く一杯やりながらで、あっという間に到着。
 主催のダンシンさんの案内で、忍者寺として知られる妙立寺を観光。
 最初は、はやりのニンジャネタかとたかをくくっておりましたが、前田家が徳川幕府との対立が激化した場合に備えて作った軍事要塞としての構造、主に、ふすまに見える隠し階段や落とし穴のバリエーションが素晴らしく、同行者全員がD&Dモードを発動、デス・ダンジョン作りたい症候群に。モンテ・クックが好きな人、クロちゃんのRPG千夜一夜とかで刷り込みを受けた人は、金沢に行ったら、ぜひ、見てください。
 内部は撮影不可なので、詳しくは同寺院のサイトを。

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 その晩は金沢の海の幸を堪能して、早めにお休み。

■時は円環のごとく

 29日はイベント本番です。
 朱鷺田は前日まで手を入れていた「深淵第三版」のGM。セッションは渦型で、テンプレートのデータは朝追加したものを始め、9体まで増強(汗)

 5名の参加者が集まり、セッション開始。

・漂泊の戦姫ヴァレンティア・アグラメント
運命「故郷を滅ぼされた」「傍観者の記憶」
 破封の大鎌を持つ魔族の使徒モーリスに故国を滅ぼされた亡国の姫君。失われた国を取り戻すため、流星が落ちた跡に生じたダーリク湖に封じれたメルージュ島の古代遺跡に挑む。

・呪われた天才剣士クリスティアン・ハーネイ
運命「呪われた魔剣」「***」
 魔族《不和の侯爵サードナ》の魔剣「大烏」を持つ剣の達人。失踪した恋人ローザ・ハーヴァティを探してダーリク湖岸にあるアラン騎士爵領へやってきた。

・貧乏貴族エロー・アラン
運命「変わり者の親族」「残された瞳」
 妖精騎士の血を引く見目麗しく才能あふれる青年貴族だが、軍隊でも、魔法でも、芽が出ないまま、変わり者の叔父ファビアンのもとに預けられていた。一族の中では末席にあるにもかかわらず、妖精騎士の血筋がもっとも濃く現れたため、騎士爵領を支配する本家からも疎まれている。

・吟遊詩人ルキウス
運命「海の声」「学院の策謀」
 魔族《軍船の公女ネファン》の声を聞く吟遊詩人。セッションに1回、ネファンの軍船を召喚できる。
 魔道師学院の手先となって、星の欠片を探す。
 ヴァレンティア姫を案内するために呼び出された。

・少女クローラ
運命「魔族への復讐」「時の幻視」
 魔族《蛇の巣なる者スリムレイ》への復讐を果たすため、時の輪廻を繰り返す少女。

 物語は漂泊の戦姫ヴァレンティア・アグラメントがアラン騎士爵領に現れたことで始まる。故郷を滅ぼした魔族の使徒モーリスを倒す力が、流星の落ちた跡に出来た中津海のひとつ、ダーリク湖の島にあると聞いてきたのである。騎士爵領の領主アランは、姫に恩を売るため、親族の厄介者エロー・アラン、流浪の剣士クリスティアンをつけ、ルキウスが召喚する魔法の船に載せた。そして、そこには、どこか異様な雰囲気がある少女クローラがすでに乗っていた。
 彼らの奇妙な旅が始まる。

 クローラは、第三版用に追加した新運命「時の幻視」を持っている。
 これは、いわゆるループ系を再現する運命で、未来の記憶を持つというものである。

 いわゆるタイムトラベルものや予知系を強化する運命であるが、「魔法少女まどか☆マギカ」のほむらや「未来日記」のユノを再現することも可能である。今回のクローラはほむら枠っぽい動きでした。

 島に上陸した一行は、魔族の封印を守る巨人を倒し、封印の間へと進む。この時、ヴァレンティアは巨人の残した破魔のメイスと契約し、魔族と戦う力を得る。

 封印の間にはクリスティアンの失踪した恋人ローザが、ヴァレンティアの宿敵モーリスとともに登場する。クリスティアンの隠された運命は「心変わり」で、恋人はモーリスに走っていたのだが、クリスティアンはなんとか説得できると思い、モーリスを倒そうとする。
 魔剣と破魔のメイスに押されたモーリスは、破封の大鎌を使って封印の解放を強行。
 暁の騎士が出現し、異世界への扉を開き、世界そのものを変えようとする。

 世界を守るため、クリスティアンとエロー、ヴァレンティアが前線に立ち、暁の騎士(召喚値120)と戦う。後方からのカード支援を受けつつ、クリスティアンの魔剣を中心に戦うが、途中、赤札が翻り、魔剣がクリスティアンのもっとも大事なものを貫くというイベント発生。魔剣《大烏》が愛するローザを貫き、殺してしまう。魔剣から注ぎ込む生命力で負傷を回復したクリスティアンは、つぶやく。

「ローザは死んでいない。私の中にいる」

 さらに、戦いの中、超越幻視をしたエローは、自らが「不義の子」であったことを知り、アラン家の先祖とは異なる妖精騎士の血筋を引くことを確認、その直後に出現した妖精騎士から、黒い槍を得て暁の騎士にとどめを刺す。
 ルキウスは己がすでにネファンに魂を売っていたことを確認し、星の欠片を拾い上げる。

 かくして、異界の門は封鎖され、探索者はそれぞれの成果を得て岸辺に帰還した。

 ヴァレンティアはモーリスを倒すとともに、故郷を魔族から奪い返す力、破魔のメイスを得た。
 ルキウスは星の欠片を得て、魔道師学院から課された目的を果たした。
 クリスティアンは恋人の死を受け入れ、実家で起こった事件を解決するため、帰国することを決意した。
 エローは本家から課された任務を果たし、己の出自を知ったことで満足し、叔父の家で今回の旅の回想録を執筆することにした。

 そして、時の幻視に導かれし少女クローネは、自ら、円環を断ち切ることを決意し、新たな人生を歩みだした。

 ー終わり?-

 新たな運命のテストが出来、ギミックが試せた面白いセッションでした。
 全員が積極的で、全員が超越幻視をする瞬間もあり、かなりの手応えをいただきました。

■トークショー

 その後は、印南君の司会でトークショー。「深淵」その他のお話をしました。
 その際、告知した今後の活動としては以下の通り。

・深淵第三版は開発進行中。今後の予定はR&Rにて。
・その前に、第二版のテンプレート集を出します。夏の終わりから秋を予定。

・シャドウラン関係では、「アンワイアード」の翻訳が終了し、現在、「ランナーズ・コンパニオン」の翻訳が進行中。「アンワイアード」は夏の間に出したいところです。具体的な日程が決まるまでもう少々お待ちください。

 次は今月末の東京深淵CONにて。


■写真日記

 その他写真にて

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 当日パンフ


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 打ち上げにてかめ入りの生原酒をいただきました。ありがとうございました。
 半分は打ち上げにて美味しくいただき、残りも家で飲んじゃいました。

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7月12日、エクリプス・フェイズ体験会@秋葉原R&Rステーション

Ep_logo

7/12(土)は秋葉原のR&RステーションでSF-RPG『エクリプス・フェイズ』体験会。同店サイトにて募集開始。

しばらくお休みしていた『エクリプス・フェイズ』体験会が満を持して復活しました! 「Role&Roll」で、『エクリプス・フェイズ』の世界観を紹介した連載が開始! 日本SF作家公認ネットマガジン「SF Prologue Wave」でシェアードワールド小説が毎月更新中!


Ep_event


 『エクリプス・フェイズ』。改造人間、トランスヒューマンの陰謀と恐怖。
 特異点(シンギュラリティ)に到達したコンピュータの反乱で地球が崩壊した後、陰謀と恐怖に満ちた黄昏の太陽系で問われるのは……そう、あなたの生き様。
 冒険スペースオペラとサイバーパンクのスタイルを融合させた、まったく新しいRPGの登場です。ハヤカワ文庫SFや創元SF文庫等で刊行されるようなSF小説の新作、あるいは新作SF映画やSFアニメの多くが『エクリプス・フェイズ』で再現可能です。
 「Role&Roll」Vol.92に特集記事(日本語版オリジナルスタートキット)掲載。サポート記事、「エントリー・ミッション」が好評連載中。
 日本SF作家クラブ公認ネットマガジン「SF Prologue Wave」(http://prologuewave.com/)でシェアードワールド小説企画が開催中。毎月、実力派プロ作家の新作『エクリプス・フェイズ』小説がCreative Commonsによって無料で読めます!
 アメリカで各種ゲーム賞にノミネートされた世界のRPGシーン最新・最大級の話題作を、無料で体験しよう!

・プレイヤーは科学技術によって強化された未来人「トランスヒューマン」を演じます。肉体が破壊されても、なんとセーヴ・ポイントから復活できる!?
・「アルゴノーツの異星考古学者」、「ハイパー・コープの闇商人」、「火星のレインジャー」、さらには変形型ロボット、知性化されたタコや群体(スウォーム)、果てはクジラまで、個性豊かなサンプル・キャラクターをご用意しました。その数、約30種類!
・「JGC2013」や「R-CON 100」等、ゲームやSF関係のイベントで大好評、最新のSFシーンを反映した世界観。あの映画やデジタルゲームが再現できる!?
・技能システムをベースにした、シンプルで柔軟、ドラマティックでおぼえやすいルールシステム。
・ゲームマスターはプロのデザイナー/ライター/翻訳家が担当。安定したクオリティのセッションをお約束します。「Role&Roll」に掲載されるシナリオを、仲間に先駆けていち早く体験できちゃうかも!?
・デザイナーはシャドウラン』第4版のライン・ディヴェロッパーだったロブ・ボイル氏(Posthuman Studio)。日本語版監修は、世界観にこだわったゲーム・デザインで知られる朱鷺田祐介氏が担当。
・特定の条項を守れば、この世界観を利用し、小説・リプレイ・コミックなどを自由に創作することができます。

 日本語化された各種サマリー等を完備しております。英語が苦手な方もご安心ください。複雑なSF設定や世界設定も、じっくり丁寧に解説いたします。
 『エクリプス・フェイズ』をまだ遊んだことのない方も、過去にイベントに参加された方も、お誘い合わせのうえでお気軽にお越しください。よろしくお願いいたします。

■開催日 2014年7月12日(土)
■時間 13:00~18:00(予定)
■会場 R&Rステーション フリープレイルーム
■ゲームマスター 朱鷺田祐介 岡和田晃ほか『エクリプス・フェイズ』日本語版翻訳チームメンバー(予定)
■主催 『エクリプス・フェイズ』体験会実行委員会
■協力 「Role&Roll」編集部、スザク・ゲームズ、戦鎚傭兵団、『エクリプス・フェイズ』日本語版翻訳チーム、Analog Game Studies
■定員 10名
■参加費  無料
■締切り 7月11日22:00(原則として申し込みは到着順にて承ります。応募者多数の場合は抽選、あるいは締め切り前でも申込みを終了させていただくことがございます)
■予約受付用アドレス  eclipsephase.jp.convention@gmail.com
■参加予約方法
 参加申し込みはeメールで承ります。件名を「0712EP体験会参加予約」として、「お名前(ハンドル不可)」・「電話番号(携帯)」・「メールアドレス」・「好きなSF作品」・「TRPG歴と(経験者の方は)よく遊ぶルールシステム」、体験会に期待することを明記のうえ、
eclipsephase.jp.convention@gmail.com
 にまで送信してください(特に電話番号は緊急連絡用に必要ですので、お間違えなきようお願い申し上げます)。
 折り返し「『エクリプス・フェイズ』体験会実行委員会」より、予約確認のメールを返信させていただきます。1週間程度経過しても返信のない場合、お手数ですが再度メールにてご連絡ください。

※応募者多数の場合は抽選、あるいは締切り前でも申込みを終了させていただくことがございます。あらかじめご了解ください。
※今回のイベントでは自作キャラクターは禁止とさせていただきます。
※「好きなSF作品・TRPG歴・よく遊ぶルールシステム・体験会に期待すること」および、当日のゲーム終了後ご記入いただくアンケートシートの内容は、『エクリプス・フェイズ』日本語展開および体験会をより良いものとするために使用させていただきます。お名前を伏せてWeb等で公開される可能性もありますので、あらかじめご了承ください。


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ゲームマーケット・レポ

4Gamerにゲームマーケット・レポを書きました。

アナログゲームの祭典「ゲームマーケット2014春」。
ボードゲーム界の“今”が垣間見える会場の模様を,写真と共にお届け

諸般の事情により、一ヶ月近く遅くなってしまいましたことをお詫びします。
ゲームマーケットは本当に大きくなって、もっと紹介したいゲームや話したいネタが多々ありますが、まずはこのレポートにて。

以下、私のカメラで撮影したものの、掲載できなかった写真の一部をば。

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 いわゆる収穫。買っている暇がほとんどありませんでした(汗)


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8月20日 H・P・ラヴクラフト聖誕祭

今年もやります。ラヴクラフトの誕生日イベント。ゲストは漫画家の矢野健太郎さんです
「H・P・ラヴクラフト聖誕祭」

『クトゥルーの子供たち』(エンターブレイン)発売記念 「H・P・ラヴクラフト聖誕祭」

OPEN 18:30 / START 19:30
前売¥2,000 / 当日¥2,300(共に飲食代別/当日会場にて特別テキストをお渡し)
ご予約は阿佐ヶ谷ロフトAウェブ予約と電話予約にて7/6(日)16:00より受付!
・ウェブ予約 ロフトA web予約ページ
・電話予約:03-5929-3445(17:00~24:00)

【出演】
森瀬繚(作家・編集者・クトゥルー神話研究家)@Molice
朱鷺田祐介(作家・ゲームクリエイター)@TokitaSuzakuG
矢野健太郎(漫画家)@yanoja

ハワード・フィリップス・ラヴクラフト124回目の誕生日に合わせ、名状しがたい宴が開かれます。
今年はリン・カーター作品集『クトゥルーの子供たち』発売を記念して、「リン・カーターの神学」と題して、より深くクトゥルー神話の神々を読み解く特別講義を行います。
ゲストは『邪神伝説シリーズ』で少年少女達の心に暗黒の邪神たちへの憧憬を刻みこんだ漫画家・矢野健太郎先生。

もちろんざっくばらんなフリートークもご用意しておりますので、クトゥルー強者も初心者も、こぞって黄金の蜂蜜酒(ミード)を傾けつつ、夜が更けるまで多いに語り合いましょう!
なお、全参加者にコピー小冊子『ラヴクラフト断章2』を配布いたします。収録作品は、ラヴクラフトが大いに助力し、『クトゥルーの子供たち』収録作にも関連のある、ヘンリー・S・ホワイトヘッドの短編「ボソン(仮)」の全訳(訳者・森瀬繚)を掲載します。

特講「リン・カーターの神学」(予定)

1コマ目:「クトゥルー神話の神神」を読み解く。

2コマ目:リン・カーターの神話体系
『クトゥルーの子供たち』『魔道書ネクロノミコン外伝』
『エイボンの書』などに見られるリン・カーター神学の
最終形について。

3コマ目:まだまだある、未訳作品


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