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June 05, 2015

クトゥルフCON:武蔵の佩刀

 前回のBLOGから時間があいてしまいました(汗)

 5月30日は、クトゥルフオンリーコンにて、ゲストキーパー。
 シナリオは「武蔵の佩刀」。

 宮本武蔵の佩刀らしいという、無銘の刀、それも赤錆と油の浮いたものが「伝 武蔵正宗」として、新宿の骨董屋に持ち込まれる。骨董屋を営むPCと仲間たちは、その由来を確認するために、調べ物を始めるが、何を切ったのか、妖気漂うその刀を巡り、奇怪な人物が出現する。

 ……というシナリオです。

 「伝 武蔵正宗」は、実在し、武蔵の死後、徳川家のコレクションとなり、明治維新の後、徳川宗家から山岡鉄舟を減って元勲岩倉具視に渡り、その子孫に伝わっています。

  資料→正宗鍛刀記
  研究論文

 ところが持ち込まれたのは、明らかに違う一振り。特に重要なのは刀身に刻まれた不動明王印。炎の力を借りて敵を切るとして、鎌倉以降に流行した意匠で、正宗とその師匠、新藤五は日光修験を学び、元寇を防ぐべく作成された奉納刀にこれを多用したという。

 何やらいわくつきの刀剣を狙う怪人物も現れ、大学で分析するも、何を切ったかはよく分からない。

 やむなく、依頼主の家に向かうが、よく聞けば、刀は最近亡くなった夫の遺品で、岩倉家の筋から預かったものだという。

 依頼主の家自身、岩倉具視の墓所がある補陀落山海晏寺(品川区南品川 鮫洲)の隣である。こちらのご本尊たる聖観音は鮫の胎内から発見されたという海に曰くのあるお寺。鎌倉幕府5代執権北条時頼が開基し、宋の高僧を招いたという。時頼の息子が元寇に対応した北条時宗、そして、武蔵正宗を打った正宗五郎入道は元寇期から南北朝の時代に活躍した刀工である。

 ……史実をほぼ並べただけで、クトゥルフ神話脳がびんびん刺激されるのはいかがなものかと。

 最終的に、破邪の剣が「悪魔祓いの祝詞」とともに、振るわれ、海の邪神が再び眠りについたのでありました。ちなみに、神楽「悪魔祓い」の歌詞は、「君が代」が用いられることがあり、今回のシナリオでは、これが破邪の呪文となっています。


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