AKB49最終回の話をしよう
AKB49の話しをしよう。
最初に述べておくが、私は実際のAKB48のファンではないし、大島優子も前田敦子も区別がつくようになったのは、漫画やアニメの後である。その上で「AKB49」については大ファンである。
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水曜日に発売された週刊少年マガジンで連載漫画「AKB49」が完結した。
AKBのコンテンツ化の一環として、5年に渡って連載されていた漫画で、女顔の男の子が、好きなクラスメイトの少女を助けるため、AKBに入り、彼女とともにトップアイドルを目指すというもの。AKBコラボと思うと、あれだが、これが意外にしっかりしたアイドルもので、研修生時代の絶望感とか、ライバルとのバトル、先輩たちとの絆など、きちんとひとつひとつをクリアしていく姿が非常に面白い。
熱血であると言ってもよい。
いわゆる女装ものの、「男とバレそうになって大騒ぎ」ネタもきちんとクリアし、少しだけエッチな場面もないではないが、はやりの過剰な部分はなく、心地良いレベルで止まる(まあ、元ネタのアイドルがあるので、もともと出来ないのではあるが……)
そして、彼女はトップアイドルのひとりになり、ついにはAKBから卒業する。
そこで、彼女の正体がバレそうになって……という最終15話の部分はかなりハードな展開になりつつも、きちんとハッピーエンドで終わる。
素晴らしいファンタジーである。
この最終回が、SMAP謝罪事件の直後に掲載されたのは、皮肉なのか、それがさらにファンタジー性を高めているが、それこそ、エンターテイメントであると思う。
最後まで、面白いエキサイティングな作品であったと思う。
最終回の落とし方も、AKB48という実在のアイドルとのコラボの都合上、課せられているルールをクリアしつつ、綺麗にまとめてみせたと思う。漫画の原作・構成協力・作画の方々の苦労は並大抵のものではなかっただろうが、それだけの価値があると思う。
AKBなんて、と思う方にもぜひ、読んで欲しい。
ついでに、言えば、河森正治さんが監督したアニメ「AKB0048」もぜひ見てほしい。「マクロス⊿」で行われるさまざまな試みの萌芽がここにある。騙されたと思ってみてほしい。とんでもないSFアニメだから。