ザ・ループRPG
こちらに投稿し忘れていたので、掲載。
3/15の邪神忌の最後で告知させていただきましたが、このたび、スウェーデンのFree League社のノスタルジックSF-TRPG『Tales from the Loop RPG』、仮称『ザ・ループ TRPG』の発売が決定いたしました。
6月発売で、税別5400円の予定。
内容については、同じく4Gamerさんに紹介記事を書いてありますので、ご参照ください。
少し真面目に解説します。
「ザ・ループTRPG」はスウェーデンのTRPGメーカー、Free League社(スウェーデン語ではFria Ligan)が2016年に発売したTRPG「Tales from the Loop Role Playing Game」を翻訳したものです。これは、スウェーデンのイラストレーター、シモン・ストーレンハーグが生み出したグラフィック・ノベル「ザ・ループ TALES FROM THE LOOP」の世界観をもとにしたもので、シンプルながらも、独特の世界設定とシステム、掲載シナリオの秀逸さから、2017年ENnie賞でベストゲームやベストセッティングなど5部門を受賞しました。現在までに、追加サプリメント4冊が刊行されています。
日本でも、原作となる「ザ・ループ TALES FROM THE LOOP」およびその続編「フロム・ザ・フラッド 浸水からの未知なるもの」が山形浩生氏の翻訳でグラフィック社より刊行され、人気を博しています。「ザ・ループ」は少しだけハイテクな1980年代のスウェーデンの田舎を舞台にしたジュヴナイルSFで、TRPG版はそのイメージを再現し、ノスタルジーとSF的なセンス・オブ・ワンダーを楽しめるものです。続編「フロム・ザ・フラッド」もTRPGが出ており、こちらは1990年代(ループが閉鎖された後)を舞台に、成長したティーンズがPCとなります。2020年には、AmazonPrimeで制作されたドラマ「ザ・ループ」のミニ・シリーズは配信されました。
本書の翻訳にあたり、Free League社が刊行した英語版を底本としつつ、おりに触れて、オリジナルのスウェーデン語版で遊んでいる方の助言を加えました。英語版を定本にしておりますので、原作通り、スウェーデンのメーラレン湖の島々にあるザ・ループの周辺での冒険を遊べる他、アメリカのネヴァダ州ボールダー・シティ(フーバー・ダムの隣)を舞台にしたUSセッティング(ドラマ版を参考にする場合や、スウェーデンに詳しくない人向け)があります。巻末に解説を兼ねて、1980年代の日本で遊ぶ場合のサポート記事を書きましたので、ややノスタルジックな日本のキッドでの冒険をしたい場合には、ご参考にしてください。
朱鷺田は翻訳監修ということで、日本語版翻訳チーム(齋藤領太氏 / 清水浩樹氏 / 塚越冬弥氏 / 中村俊也氏 / Montro氏(50音順))が大活躍してくれました。塚越冬弥さんは、ハロウヒルの「スケルトンズ」と「我らが王の身罷りて」の翻訳を担当、中村俊也さんは「RPGシティブックII」と「コボルドのRPGデザイン(近刊)」の翻訳を担当されています。
Free League(Fria Ligan)は、スウェーデンを拠点とするTRPGメーカーで、今までもオリジナルのシステムをいくつか出していますが、この「Tales from the Loop RPG」でブレイク、近年では「Alien RPG」(映画公式)を刊行したり(ヴァーチャル・テーブルトップ化も推進中)、第三次世界大戦後の破滅した世界でサバイバルする「Twilght:2000」をリメイクしたり、「One Ring」(「ホビット」と「指輪物語」の間の時代を扱うTRPG)の2版の權利を獲得し、キックスターターを立ち上げたりと、大活躍中のメーカーです。